●接合金物の選定(仕様規定)

1,耐力壁に接する柱の柱頭・柱脚の接合金物

耐力壁に接する柱の接合金物は、柱の階数位置(平屋部・2階の柱は表−1:1階の柱は表−2) ・柱の平面的位置関係 ・耐力壁の種類 ・筋かいの設置方向によって決められています。

国交省【平成12年告示第1460号

【平屋部分柱・最上階柱と横架材の仕口接合金物】(表−1)
筋かい・壁の種類壁倍率平屋・最上階の柱頭・柱脚金物
出隅の柱その他の柱
仕様規定での必要耐力(kN)
@木摺が片面 又は両面0.5
1.0
短ほぞ差し、かすがい短ほぞ差し、かすがい
0.000.00
A15mm×90mm筋かい又はφ9mm鉄筋ブレース1.0かど金物(CP−L)短ほぞ差し、かすがい
3.440.00
B30mm×90mm筋かい
  (平均壁倍率1.55)
筋かい下端が取り付く柱1.0かど金物(CP-L)短ほぞ差し、かすがい
3.440.00
その他柱2.0羽子板ボルト(SB-F2/SB-E2)かど金物(CP-L)
7.413.44
CAの筋かいをたすき掛け2.0羽子板ボルト(SB-F2/SB-E2)かど金物(CP-L)
7.413.44
D45mm×90mm筋かい
  (平均壁倍率2.0)
筋かい下端が取り付く柱1.5かど金物(CP-T)・山形プレート(VP)かど金物(CP-L)
5.293.44
その他柱2.5羽子板ボルト(SB-F/SB-E)・短冊金物+スクリューくぎかど金物(CP-L)
8.473.44
E構造用合板等の片面2.5羽子板ボルト(SB-F/SB-E)かど金物(CP-L)
8.473.44
FBの筋かいをたすき掛け3.0ホールダウン金物(15kN用)かど金物(CP-T)・山形プレート(VP)
14.825.29
GDの筋かいをたすき掛け4.0ホールダウン金物(15kNN用)短冊金物
14.827.41


【上階がある1階の柱】(表−2)
軸組の種類壁倍率最下階柱の柱頭・柱脚金物
最上階柱:出隅
最下階柱:出隅
最上階柱:出隅
最下階柱:その他
最上階柱:その他
最下階柱:その他
仕様規定での必要耐力(kN)
@木摺が片面 又は両面0.5
1.0
短ほぞ差し、かすがい短ほぞ差し、かすがい短ほぞ差し、かすがい
0.000.000.00
A15mm×90mm筋かい又はφ9mm鉄筋ブレース1.0かど金物(CP-L)短ほぞ差し、かすがい短ほぞ差し、かすがい
3.440.000.00
B30mm×90mm筋かい1.5短冊金物かど金物(CP-L)短ほぞ差し、かすがい
7.413.440.00
CAの筋かいをたすき掛け2.0ホールダウン金物(15kN用)かど金物(CP-T)・山形プレート(VP)かど金物(CP-L)
14.825.293.44
D45mm×90mm筋かい2.0ホールダウン金物(15kN用)かど金物(CP-T)・山形プレート(VP)かど金物(CP-L)
14.825.293.44
E構造用合板等の片面2.5ホールダウン金物(20kN用)ホールダウン金物(10kN用)かど金物(CP-T)・山形プレート(VP)
19.589.535.29
FBの筋かいをたすき掛け3.0ホールダウン金物(25kN用)ホールダウン金物(15kN用)短冊金物
24.8714.827.41
GDの筋かいをたすき掛け4.0ホールダウン金物(15kN用)2組ホールダウン金物(20kN用)ホールダウン金物(15kN用)
29.6419.5814.82

注)

1,耐力壁に接しない柱は、その他の接合金物【表−4】の扱いになります。
2,出隅の柱とは、外壁ラインの凸に出ている部分の柱。(内壁と外壁が交差するT字型の交点はその他の柱扱いです。)
3,仕様規定での必要耐力とは、告示1460号にて想定する耐力で、この数値以上の接合金物を使用するように決められています。
4,表ー1及び表ー2に掲載している金物は、代表的なZマーク表示金物を記載しています。掲載している金物の認定同等品 若しくは仕様規定での必要耐力以上の性能が認定された金物は使用できます。
5,ホールダウン金物は、@HD-B(幅広ボルトタイプ)AHD-N(幅広釘タイプ)BS-HD(細身タイプ)の3タイプがあります。幅広釘タイプは枠組壁工法に、細身タイプは軸組工法に使用します。
6,1階の柱脚に設けるホールダウン金物15kN用以上は基礎埋め込み(ホールダウンアンカー形式)対応となります。(10kN用は座付きボルトタイプ。)
7,ホールダウン金物で、1階と2階の柱が平面上同じ位置にある場合は、耐力の高い方のホールダウン金物を使用する。(1階の柱頭と2階の柱脚は双方同一金物とする。)
8,表ー1・表ー2に該当しない耐力壁 及び 両サイドに耐力壁が取り付く柱の場合は、N値計算 若しくは構造計算(許容応力度計算)にて選定する方が効率的です。

2,筋かいの接合金物

筋かい端部の接合金物は、筋かいの種類によって決められています。

国交省【平成12年告示第1460号】

筋かいの接合金物(表−3)
筋かいの種類壁倍率接合金物同等金物
@φ9mm鉄筋1.0三角座金、鋼板添え板を用い太め丸く釘(CN90)で緊結
A15mm×90mm木製筋かい1.0鉄丸釘(N65)で緊結
B30mm×90mm木製筋かい1.5筋かいプレート(BP)
C45mm×90mm木製筋かい2.0筋かいプレート(BP-2)筋かいボックス(カナイ)・柱施工筋かい金物(カネシン)・2倍筋かいマルチ(タナカ)
D90mm×90mm木製筋かい3.0六角ボルトにて緊結
E構造合板等(面材耐力壁−片面))2.5釘(N50)ピッチ150mm
F筋かいたすき掛け交差部ひら金物(SM-40)

注)

1,表ー3に掲載している金物は、代表的なZマーク表示金物を記載しています。掲載している金物の認定同等品は使用できます。

3,その他の接合金物

上記以外の接合部に設ける接合金物は、筋かい端部や耐力壁の柱のように、細かく金物は決め込まれていませんが、その部位ごとの存在応力を伝達できるように接合する必要があります。一般的に使用する金物を表ー4に掲載いたします。

その他接合金物(表−4)
使用箇所接合金物同等金物
土台〜柱ひら金物(SM-12)ビルトプレート(カナイ)・幅広ステンレスプレート(タナカ)
通柱〜梁出隅部かね折金物(SA) 
下階柱〜梁〜上階柱出隅部ひら金物(SM-40) 
小屋束〜母屋
床束〜大引
ひら金物(SM-12) 
母屋〜垂木ひねり金物(ST-12/ST-15/ST-19)ハリケンタイ(カネシン)・タル木どめU(タナカ)・ラフターバンド(カナイ)
折曲げ金物(SF) 
くら金物(SS) 
床組・小屋組遇角部火打金物(HB) 
梁〜梁継ぎ手部ひら金物(SM-12/SM-40) 
独立基礎〜独立柱単独の柱柱脚金物(PB-33/PB-42) 

注)

1,表ー4に掲載している接合金物以外に表1及び表2に記載している金物を各部位ごとに効率よく選定して下さい。

4,参考金物リスト

当事務所にて設計を行う場合に通常使用している接合金物を掲載していますので参考にして下さい。




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【告示に関する本】