●開口部の断熱性能基準(フラット35)

熱の流出

新省エネ基準及び次世代省エネ基準では、サッシや玄関扉などの開口部の断熱性能を上げる必要があります。

断熱性能のレベル、地域区分に応じて、外壁に設ける開口部の形状により、三重サッシ、二重サッシ、複層ガラス(ペアガラス)、断熱サッシ(複合樹脂サッシ)などの構造が必要となります。


新省エネ基準及び次世代省エネ基準の開口部の断熱性能

下記に、住宅金融支援機構のフラット35Sの省エネルギー性に関する基準(仕様エネルギー対策等級4≒次世代省エネ基準)と現時点では無くなりましたが、旧基準金利適用住宅の新省エネ基準の開口部の断熱性能に必要な基準を掲載しています。

開口部の断熱性能
地域 形状 新省エネ基準 次世代省エネ基準
T地域 窓又は引戸
  1. ガラス単板入り建具の三重構造。
  2. ガラス単板入り建具と低放射複層ガラス(空気層12mm以上)入り建具との二重構造。
  3. ガラス単板入り建具と複層ガラス(空気層12mm以上)入り建具との二重構造で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製のもの。
  4. 二重構造のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が1.51以下のもの。
  5. 二重構造のガラス入り建具で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製であり、ガラス中央部の熱貫流率が1.91以下のもの。
  1. ガラス単板入り建具の三重構造。
  2. ガラス単板入り建具と低放射複層ガラス(空気層12mm以上)入り建具との二重構造。
  3. ガラス単板入り建具と複層ガラス(空気層12mm以上)入り建具との二重構造で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製のもの。
  4. 二重構造のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が1.51以下のもの。
  5. 二重構造のガラス入り建具で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製であり、ガラス中央部の熱貫流率が1.91以下のもの。
窓、引戸又は框ドア
  1. 低放射複層ガラス(空気層12mm以上)又は三層複層ガラス(空気層各12mm以上)入り建具であって、木製、プラスチック製、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のいずれかであるもの。
  2. 木製、プラスチック製、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のもの。
  1. 低放射複層ガラス(空気層12mm以上)又は三複層ガラス(空気層各12mm以上)入り建具であって、木製、プラスチック製、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のいずれかであるもの。
  2. 木製、プラスチック製、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のもの。
ドア
  1. 木製建具で扉が断熱積層構造であるもの。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分を低放射複層ガラス(空気層12mm以上)、三複層ガラス(空気層各12mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のいずれかとするもの。
  2. 金属製熱遮断構造の枠と断熱フラッシュ構造扉で構成された建具。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分を低放射複層ガラス(空気層12mm以上)、三複層ガラス(空気層各12mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のいずれかとするもの。
  1. 木製建具で扉が断熱積層構造であるもの。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分を低放射複層ガラス(空気層12mm以上)、三複層ガラス(空気層各12mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のいずれかとするもの。
  2. 金属製熱遮断構造又は木若しくはプラスチックと金属との複合材料製の枠と断熱フラッシュ構造扉で構成された建具。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分を低放射複層ガラス(空気層12mm以上)、三層複層ガラス(空気層各12mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のいずれかとするもの。
U地域 窓又は引戸
  1. ガラス単板入り建具の二重構造で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製のもの。
  2. ガラス単板入り建具の二重構造で、枠が金属製熱遮断構造であるもの。
  3. ガラス単板入り建具と複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具との二重構造であるもの。
  4. 二重構造のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が2.30以下のもの。
  1. ガラス単板入り建具の三重構造。
  2. ガラス単板入り建具と低放射複層ガラス(空気層12mm以上)入り建具との二重構造。
  3. ガラス単板入り建具と複層ガラス(空気層12mm以上)入り建具との二重構造で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製のもの。
  4. 二重構造のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が1.51以下のもの。
  5. 二重構造のガラス入り建具で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製であり、ガラス中央部の熱貫流率が1.91以下のもの。
窓、引戸又は框ドア
  1. 複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具で、木製又はプラスチック製のもの。
  2. ガラス単板2枚使用(空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、又は低放射複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具であって、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のいずれかであるもの。
  3. ガラス単板2枚使用(空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、又は低放射複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具であって、金属製熱遮断構造であるもの。
  4. 木製又はプラスチック製のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が3.36以下のいずれかとするもの。
  5. 木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
  6. 金属製熱遮断構造のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
  1. 低放射複層ガラス(空気層12mm以上)又は三複層ガラス(空気層各12mm以上)入り建具であって、木製、プラスチック製、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のいずれかであるもの。
  2. 木製、プラスチック製、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のもの。
ドア
  1. 木製建具で扉が断熱積層構造であるもの。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、低放射複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
  2. 金属製熱遮断構造の枠と断熱フラッシュ構造扉で構成された建具。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、低放射複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
  1. 木製建具で扉が断熱積層構造であるもの。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分を低放射複層ガラス(空気層12mm以上)、三複層ガラス(空気層各12mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のいずれかとするもの。
  2. 金属製熱遮断構造又は木若しくはプラスチックと金属との複合材料製の枠と断熱フラッシュ構造扉で構成された建具。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分を低放射複層ガラス(空気層12mm以上)、三層複層ガラス(空気層各12mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が2.08以下のいずれかとするもの。
V地域 窓又は引戸
  1. ガラス単板入り建具の二重構造。
  1. ガラス単板入り建具の二重構造で、少なくとも一方の建具が木製又はプラスチック製のもの。
  2. ガラス単板入り建具の二重構造で、枠が金属製熱遮断構造であるもの。
  3. ガラス単板入り建具と複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具との二重構造であるもの。
  4. 二重構造のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が2.30以下のもの。
窓、引戸又は框ドア
  1. ガラス単板2枚(中間空気層12mm以上)入り建具。
  2. 複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具。
  3. ガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が34.00以下のもの。
  1. 複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具で、木製又はプラスチック製のもの。
  2. ガラス単板2枚使用(空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、又は低放射複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具であって、木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のいずれかであるもの。
  3. ガラス単板2枚使用(空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、又は低放射複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具であって、金属製熱遮断構造であるもの。
  4. 木製又はプラスチック製のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が3.36以下のいずれかとするもの。
  5. 木と金属の複合材料製又はプラスチックと金属の複合材料製のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
  6. 金属製熱遮断構造のガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
ドア
  1. 扉がフラッシュ構造の建具。但し、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のいずれかとするもの。
  2. 扉が木製の建具。但し、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のいずれかとするもの。
  3. 扉が金属製熱遮断構造パネルの建具。但し、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のいずれかとするもの。
  1. 木製建具で扉が断熱積層構造であるもの。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、低放射複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
  2. 金属製熱遮断構造又は木若しくはプラスチックと金属との複合材料製の枠の枠と断熱フラッシュ構造扉で構成された建具。尚、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層12mm以上)、低放射複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が3.01以下のいずれかとするもの。
W地域 又はX地域 窓又は引戸
地域W、Xにおいて、旧基準金利適用住宅(省エネルギータイプ)は、規定は有りませんでしたが、旧省エネルギー住宅(一般型)割増融資については、浴室・便所等の開口部を除いて、T地域からV地域に記載する断熱性能の建具、若しくは、その他に記載する熱貫流率以下の建具を設ける事が要求されていました。
  1. ガラス単板入り建具の二重構造。
窓、引戸又は框ドア
  1. ガラス単板2枚(中間空気層12mm以上)入り建具。
  2. 複層ガラス(空気層6mm以上)入り建具。
  3. ガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が34.00以下のもの。
ドア
  1. 扉がフラッシュ構造の建具。但し、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のいずれかとするもの。
  2. 扉が木製の建具。但し、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のいずれかとするもの。
  3. 扉が金属製熱遮断構造パネルの建具。但し、ガラスを有するものは、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12mm以上)、複層ガラス(空気層6mm以上)、又は、ガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のいずれかとするもの。
その他 上記以外の建具とする場合は下記による。
  1. 地域Tは、熱貫流率が2.33以下のもの。
  2. 地域Uは、熱貫流率が3.49以下のもの。
  3. 地域Vは、熱貫流率が4.65以下のもの。
上記以外の建具とする場合は下記による。
  1. 地域T又はUは、熱貫流率が2.33以下のもの。
  2. 地域Vは、熱貫流率が3.49以下のもの。
  3. 地域W又はXは、熱貫流率が4.65以下のもの。
備考   窓の合計面積が住宅の床面積の2%以下となる場合は、上記T地域〜X地域、及びその他の規定によらず、施工することが可能。
  1. 上記記載の次世代省エネ基準は、住宅金融支援機構のフラット35Sの省エネルギー対策等級4に適合する基準です。尚、赤字にて記載している内容は、平成21年より「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の一部改正に伴い、住宅金融支援機構において改正された内容です。
  2. 上記記載の新省エネ基準は、住宅金融支援機構のフラット35の旧基準金利適用住宅(省エネルギータイプ≒省エネルギー対策等級3レベル)の基準です。現時点では基準金利適用住宅は廃止になっていますが、省エネルギー対策等級3レベルの参考として掲載しています。尚、その時に、次世代省エネ基準にて今回改訂された赤字の内容について、新省エネ基準に於いても同様に読み替えてください。

尚、このページに記載する開口部の断熱仕様基準については、フラット35技術基準(旧住宅金融公庫基準)の内容を記載していますが、次世代省エネ基準の基本となっている「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の「設計・施工指針」はこちらを参照して下さい。


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【断熱性能に関係する本】