建替え・増改築どちらが得か・・・<損得>

1 なぜ、増改築が必要か?

1),家の老朽化。

建物が傷んできた・汚れてきた。(屋根・外壁・建具・内部仕上・建具など)
設備が古くなってきた。

2),部屋が狭くなってきた。

子供の成長や家族構成の変化と物の増加で、部屋が狭くなった。

3),ライフステージ・ライフスタイル(暮らし方)の変化に家がそぐわなくなった。

  1. 子供が大きくなった。              ⇒子供部屋の改造
  2. 二世帯で暮らすようになった。          ⇒部屋数・台所・食堂・浴室・トイレの改造
  3. 子供が結婚等で家を離れるようになった。     ⇒部屋数・台所・食堂・浴室・トイレの改造
  4. 食事の取り方が変わった。            ⇒台所・食堂の改造
  5. お客さんを迎えることが多くなった。       ⇒応接室の増築

2 建物の耐用年数と資産価値は?

建物の耐用年数は、家の工法・構造使用材料・メンテナンスによってさまざまですが、税法上の減価償却による耐用年数は、木造で22年、軽量鉄骨(3mm以下)で19年と定められています。

耐用年数(減価償却年数)


建物価値とローン残高のイメージまた 建物の価値は、売却を行う場合に一般的には、概ね約15年で建物の資産価値が無い扱いとなります。
但し 土地の資産価値は、市場の関係でアップダウンは有りますが確実に資産価値として残ります。


3 建物の経年変化は?

●築5年〜10年

住まいの小さな箇所の破損、及び汚れが目に付く時期。

●築10年〜15年

浴室・トイレ・キッチン等の水廻りの設備が不具合を起こし始める時期。

●築15年〜20年

床下や給排水管など、住まいの見えない箇所に傷み、腐食が出始める時期。

●築20年〜30年

住まいの耐用年数や、家族構成の変化から、外部・内部共のリフォーム・増改築の見直しが必要な時期。

建物のメンテナンス・点検時期についてはこちらを参照。

4 増改築と建替えのメリット・デメリット

 メリットデメリット
増改築
  1. 住みながら工事が出来る。(仮住まいが不要)
  2. 10u以内の増築は確認申請が不要。
  3. 建替えに比べ、トータルコストが安くあがる。
  1. 古い部分と増改築部分とに狂いが生じやすい。
  2. プランに制約がある。
  3. 新築・建替えに比べて割り高。
  4. 既存建物と増築建物の耐久性に差が出る。
建替え
  1. 住宅全体を希望通り新しくできる。
  2. 増改築に比べて建物の坪当たりの単価は安くなる。
  3. 耐用年数の差や新旧接合部が狂う欠点がない。
  1. 建物が完成するまでの仮住まいや、家具・荷物の保管などが必要。
  2. 解体費がかかる。
  3. 総費用が多くかかる。。
  4. 建ぺい率規制などによって、今の家よりも小さくなる場合がある。
  5. 既存建物の財産価値がなくなる。

5 増改築と建替え、どちらが得か?

1),増改築で要望事項がどこまで対応できるかチェック

イ),プラン(間取り)が増改築で対応できるか?

  1. 用途地域の変更で不利側になっていないか。
  2. 既存建物が違法建築で建替え可能か、また 建物が小さくならないか。
  3. 希望プランと構造の関係に問題はないか。(既存建物の柱・耐力壁など、撤去できるか)

ロ),性能がどこまでアップできるのか?

  1. 耐震性
  2. 耐久性
  3. 断熱性等。
  4. 防火性等。
  5. 遮音性等。

※現時点での耐震性能比較

性能建築時期性能のレベル
耐震性平成12年以降の建物100%
昭和56年〜平成12年までの建物83%
昭和56年以前の建物62%

平成12年以降に建築した建物を100%とした時の性能比較
詳細は耐震性の歩みを参照して下さい。

2),耐用年数での検討

増改築と建替えの耐用年数を比較して、どちらが得か検討?

増改築後の耐用年数

※1 使用耐用年数は家の工法・構造使用材料・メンテナンスによっても違うが概ね30年と想定。
※2 増改築によって、既存の家の耐用年数が延びる目安。

耐用年数の比較(増改築・建替え)


3),コストでの検討

増改築と建替えのコスト比較で、どちらが得か検討?

増改築と建替えを同条件で対比した場合、既存建物の築年数によって、どちらにどれだけのコストがかかるのか試算してみる。

比較のための条件設定


※ 建替えとの対比のために改築・改装は、既存面積全てを行った場合で計算しています。

比較のための諸費用設定


※売却する場合の建物価値は築後、概ね15年で資産価値0扱いとなりますが、ここでの価値は収益物件での減価償却費(減価償却比0.046)で残存価値を計算しています。

価格での対比


建替え・増改築、どちらが得か・・・・基本的考え方

【築年数の分岐点】      築後   20年目前後        建替え

増改築の方が得か、建替えの方が得かの分かれ目は、概ね20年前後である。
つまり、17年〜20年を過ぎると建替えの方が得になる。

【コストの分岐点】      コスト   建替えの50%〜60%以内    増改築

同じ施工面積・同じ仕様で対比した時の費用が、増改築の場合、建替えの費用の50%〜60%以内なら増改築の方がコスト的に経済的。

6 増改築にはどんな方法があるのか?

増改築の方法 メリット デメリット
差し掛け増築
  1. 軒下から増築するので、母屋の屋根をさわらなくても済む。また 外壁面も比較的、縁を切りやすくローコストで増築が可能。
  1. 既存建物の屋根下に増築するので、一体感に乏しく、デザイン的に違和感が生じる。
  2. 軒下から増築する関係で天井高さが低くなり、子供室・納戸・トイレなどの部屋の増築に向いているが、リビングなどの天井高さが必要な部屋には不向き。
突き出し増築
  1. 既存の母屋をそのまま延長する形で増築するので、外観デザインに一体感がある。
  1. 屋根・壁・の接続部分を十分に補強・補修しないと、クラックや雨漏りの原因になりやすい。
  2. 既存部分をかなりいらうので、コストが差し掛け増築に比べ高くつく。
おかぐら増築
  1. 敷地や建ぺい率に余裕がない場合の増築に適している。(1階に増築できない場合)
  1. おかぐらの場合、既存の母屋を撤去したり階段を新設したり、また 柱も通柱にする必要があるののでコストアップになる。
  2. 既存建物の構造や基礎に不安がある場合、地盤や基礎部分・構造に対する十分な補強が必要。
小屋裏増築
  1. 物置程度の屋根裏利用の場合に比較的ローコストで短期にて施工できる。但し 居室として使用する場合に、トップライトやドーマーをもうける場合、屋根の補修が必要で、出来れば屋根を葺き替える時に同時にする方が良い。
  1. トップライトやドーマーを造る場合、雨漏りの原因になる。また 居室として使用する場合は夏暑い。
  2. 建築基準法では、高さ1.4m以上、若しくは固定階段を設ける小屋裏収納、及び 居室として利用する場合は、3階建て扱いとなる。

7 増改築をする時のポイント

1),契約・工事着手前に、しっかりと既存建物をチェックする。

  1. 特に、柱や壁・床の傾き・構造クラックの有無・建具の開閉状況。     【地盤の把握】
  2. 既存建物の耐震性の確認(耐震診断)。     【耐震性調査・把握】
  3. 既存建物の力の流れを確認。     【架構の把握】
  4. 木材の腐れ状況の確認−特に水周り。     【耐久性の把握】

2),既存の筋かいは、できるだけ抜かない。

3),管柱を抜く場合は、必ず梁補強を行う。

※通柱は撤去しない。

4),既存の基礎を切断しない。

5),出きるだけ木材は既存建物と同じ樹種で、必ず乾燥材を使用する。




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