建物性能の基礎知識/維持管理性能

住まいは、長期にわたって四季の厳しい気象環境にさらされて使用され、採用する仕上材や工法により手入れの仕方も変わってきます。
また 住宅性能表示では、給水や排水の配管など、設備面の維持管理のしやすさについて等級が定められています。住いづくりの計画の段階から給排水設備等の点検・清掃・補修が容易に対応できる様に対応策をもり込んでおきましょう。


住宅性能表示維持管理対策等級

●住宅性能表示の等級

住宅性能表示では、給排水衛生設備配管及びガス配管について、構造躯体及び仕上材に影響を及ぼすことなく、点検や清掃・補修が容易にできるための対応策をプランの段階から取り込んだ住いづくりを推奨しています。

性能表示の維持管理対策等級

対象の専用配管

●対象となる配管設備

対象となる専用配管は、排水管は敷地内の最終枡から設備機器とその接続までの配管を、給水管及びガス管にあっては、水道又はガスメーターから建物内の給水栓・ガス栓又は設備機器との接続までの配管が対象となります。

●維持管理とは

給排水管 及びガス管が全面的な交換が必要となるまでの期間内に、実施される点検・清掃・補修をいう。

●点検とは

排水管、給水管 又はガス管に支障が発生した場合に該当箇所の確認をいう。

●清掃とは

排水管内の滞留物の除去をいう。

●補修とは

排水管、給水管 又はガス管に支障が発生した場合における該当箇所の修理 及び配管バルブ、継ぎ手等の部品の部分的な交換をいう。

維持管理対策基準

基礎の配管処理

1)コンクリート内に配管を埋設しない。

建物の構造体の基礎コンクリート内に専用配管を埋め込まない。但し コンクリートに埋め込んださや管にフレキシブル配管を挿入する場合は、直接配管自体が埋め込まれておらず、躯体に影響を及ぼすことなく配管の点検、清掃、補修が可能であることから、コンクリートには埋め込まれていないとして扱われる。

2)埋設配管の上にコンクリートを設けない。

地中に埋め込んだ配管の上にコンクリートを打設しない。そのために、べた基礎や防湿コンクリート及び防蟻対応のスラブのように、床下全面にコンクリートを打設する場合は、床と基礎の間のふところ空間の中で横引き配管を設ける。在来工法の浴室を設ける場合は、床下に土間コンクリートを打設するために配管をコンクリートに埋設することになる。尚 建物外部に設ける犬走りや駐車スペース等の土間コンクリートは、住宅の構造体への影響は無いものとして、この規定は適用されない。

トイレの掃除口

3)排水管には掃除口若しくはトラップを設ける。

排水管には、清掃が簡易に出来るように掃除口 若しくは清掃が可能なトラップが設置されていること。但し 便器の排水管で排水枡が隣接して設けられている場合は、排水枡から清掃が可能なために、掃除口を設ける必要は無いが、2階にトイレを設ける場合は、排水管に掃除口を設ける必要がある。

4)点検口をもうける。

排水管、給水管 及びガス管からの漏水やガス漏れ等の支障が発生した場合に、確認するための点検口が設備機器と専用配管の接合部に必要です。キッチン、洗面化粧台は、機器の下部の扉を開ければ点検ができ、ユニットバスは給水接続の点検口がユニットバスに設けられていますが、排水の接続には、他の場所(脱衣室等)に床下点検口を設け、ユニットバスの排水管の接続が点検できるようにする。また 2階に浴室を設ける場合は、下階に点検口を設けるか点検口付きのユニットバスを選定する必要があります。同様に2階にトイレを設ける場合にも下階に天井点検口が必要です。トイレの給水には壁に点検口(床出しの場合は床下点検口 若しくは 下階に点検口)を、洗濯用の水栓もトイレ給水と同様に点検口を設けるか、ボックス式の水栓を設けるなどの措置が必要です。

維持管理対策等級の比較

維持管理対策等級の比較

維持管理性能の注意ポイント

維持管理の基礎知識

一般的なメンテナンス時期

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)では、維持管理のガイドラインとして、住宅各部の主な点検項目、点検時期の目安、更新・取替えの目安が示されています。

維持管理のガイドライン




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