住宅ローンの基礎知識  フラット35の概要

 ● フラット35の概要

フラット35

フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が提携して、平成15年10月1日より登場した「長期固定金利」の新型住宅ローンです。

金利が返済終了まで固定されている点や、保証料・繰上げ返済手数料が無料である点などがメリットとして挙げら、新築住宅の建設資金や購入資金、並びに中古住宅の購入資金に利用できます。

主に短期の資金で資金調達を行う銀行などの民間金融機関は、長期固定金利の住宅ローンを取り扱うことが難しいとされていました。
そこで、住宅金融支援機構は、フラット35を取り扱っている数多くの民間金融機関からフラット35を買い取り、それを担保とする債券を発行することで、長期の資金調達を行い、民間金融機関が長期固定金利の住宅ローンを提供する仕組みを支えているシステムで、基本的には「民間住宅ローン」の一種ですが、金利などの一部を除いて内容は以前の公庫融資と似ており、「準公的融資」と言ってもいいのではないでしょうか。

住宅ローンは借入金額も大きくなり、返済も20年、30年という長期に渡るのが一般的です。また、金利が上昇する場合もありますので、もし返済中に金利が上昇し、返済額が増加するようなことがあると、当初の計画が崩れる可能性が出てきてしまいます。しかし、フラット35は、借入時に毎回の返済額が確定するので、計画的に返済できることになります。

フラット35は、全国の銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫などほとんどの金融機関に加え、保険会社やノンバンクなどでも取り扱われおり、融資限度額やローンの仕組みなどは、どこの金融機関でも共通となっています。

また、フラット35には、現状の【フラット35買取型)】と、新たに平成19年以降にスタートした【フラット35保証型)】の二つのタイプがあります。


 ◆ フラット35(買取型)とフラット35(保証型)の違い

◎フラット35(買取型)

フラット35買取型)】とは、借入者が資金をお受け取った後、住宅金融支援機構が金融機関からその住宅ローンを買い取り、買い取った住宅ローンを担保として債券を発行し、市場の投資家から資金調達を行なう仕組みにより提供される「長期固定金利」の住宅ローンが【フラット35買取型)】です。


◎フラット35(保証型)

また、新たにスタートした【フラット35保証型)】は、住宅ローン債権を住宅金融支援機構に売却せず、民間金融機関等が独自に証券化し、住宅金融支援機構が、その証券化した元利金の支払を保証し、また、借入者が返済できなくなった場合に、民間金融機関に対して住宅金融支援機構が保険金(ローンの残高)の支払いを行い、保険金支払後は住宅金融支援機構が、借入者の住宅ローン債権を取得する仕組みを用いて、民間金融機関自身による証券化がしやすくなった「長期固定金利」の住宅ローンです。

住宅金融支援機構は、あくまでも保証等を行うだけなので、商品性については民間金融機関の独自色が出しやすくなっているためか、「限りなく民間住宅ローンに近い商品」だと言えるでしょう。

また、【フラット35保証型)】の最大のポイントとして、挙げられるのは、民間住宅ローン同様、「借り換え」にも利用できることです。



 ◆ フラット35(買取型)のメリット・デメリット・・・・・(民間住宅ローンとの比較)

フラット35買取型)の住宅ローンは、現在の低金利の恩恵を長期にわたって受けられる住宅ローンですが、利用を検討する際には、そのメリットだけでなく、デメリットについてもしっかり把握して検討するようにして下さい。

※尚、下記のメリット・デメリットは、民間住宅ローンを対象とした一般的な内容で、フラット35【保証型】との比較ではありません。


◎フラット35(買取型)のメリット

  1. 物件価格の最高90%(上限額8.000万円)まで融資が受けられるので、自己資金が少なくてもマイホームが取得できる。
  2. 低利の固定金利型ローンである。
  3. 返済期間が20年以下と21年以上で適用金利が異なるため、短い期間では特に金利水準が低くなっている
  4. 借入時の「ローン保証料」が無料であるなど、借入コストが割安な場合が多い。
  5. 基本的には、前年の年収を基に借入の可否が決まるため、民間住宅ローンでは断られやすい自営業者や同族企業の役員などでも、一般的には、収入基準さえ満たせば利用しやすい。
  6. 繰上げ返済の手数料」が無料で、何度でもできる。
  7. 優良住宅取得支援制度 フラット35S(一定の要件を満たす住宅に対して当初5年間の融資金利を0.3%優遇する制度)を利用することができる。

◎フラット35(買取型)のデメリット

  1. 一定の水準を満たした住宅でなければならないため、すべての物件で利用できるとは限らない。※1
    また、その水準に適合しているか審査等が必要なため、物件検査手数料が必要となる。
  2. ローン返済に加えて、年に一度団体信用生命保険料が徴収される。※2
  3. 金利の適用は、融資の申込み時点ではなく、融資実行時点の金利が適用されるため、金利の変動が発生する場合がある。※3

※1:
利用できない場合は、逆に言えば、優良な住宅でないと言うことになるので、この点は気にしなくても問題ないと言えます。

※2:
「フラット35」は保証料が不要でコストが安いと言われていますが、保証料がローン金利+0.2%程度のコストであるのに対して、 団体信用生命保険料は、+0.3%程度の負担増になります。民間住宅ローンでは、団体信用生命保険料込みで金利が設定されていますので、この2つはほぼ相殺されると言えそうです。

※3:
「旧住宅金融公庫融資」の場合は、同じ固定金利型でも、融資の申込み時点での金利が適用されたため、最長1年程度のタイムラグがある新築マンションなどを購入する場合でも、申込み後の金利動向に気を揉む必要はありませんでしたが、フラット35では、申込み時点ではなく、融資実行時点(≒入居直前)の金利が適用されるので、申込みから融資が実行されるまでの間に金利が上昇した場合は、資金計画の見直しを迫れれることも考えられます。これは、民間の住宅ローンの場合も一般的には同じです。


 ◆ フラット35(保証型)の特徴

フラット35保証型)は、「借り換え」に使用できる以外に、物件価格の最大100%(上限8.000万円)までの融資を受けることが可能(実際には取り扱う金融機関等の裁量によって、80%〜100%の範囲内で決められるというシステム)となり、頭金なしでの借入も可能です。
また、金利水準も概ね低くなっていますので、フラット35保証型)の今後の動向には、大いに注目したいところです。


◎フラット35(保証型)の特徴

  1. フラット35(買取型)では「借り換え」は利用できませんが、フラット35(保証型)では借り換えに利用できる。
  2. フラット35(買取型)では融資金額が、建設費または購入価額の90%以内ですが、フラット35(保証型)では100%まで融資を受けることができる。※1
  3. 一般的には、フラット35(買取型)よりフラット35(保証型)の方が、金利水準が低い。※2
  4. フラット35(買取型)では、全国の銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫などほとんどの金融機関に加え、保険会社やノンバンクなどでも取り扱われていますが、フラット35(保証型)は、取り扱い対象地域でないところでは使用できない。※3
  5. フラット35(保証型)でも、優良住宅取得支援制度 フラット35S(一定の要件を満たす住宅に対して当初5年間の融資金利を0.3%優遇する制度)を利用することができる。※4
  6. フラット35(買取型)同様に、フラット35(保証型)でも、住宅ローンで必要となる保証料はかかりません。

※1:取扱金融機関によっては90%以下の場合もあります。

※2:取扱金融機関によっては異なります。

※3:概ね沖縄県及び一部離島を除く全国にて使用が可能ですが、取扱金融機関によって異なります。

※4:フラット35(保証型)の技術基準に加えて、優良住宅取得支援制度 フラット35Sの技術基準に適合していることを証明する「適合証明書」が要。



フラット35(保証型)の取扱い金融機関

フラット35(保証型)の取扱い金融機関は下記の金融機関等になります。

・三菱東京UFJ銀行

・千葉興業銀行

・日本住宅ローン

・SBIモーゲージ



下記に、フラット35買取型)とフラット35保証型)の概要を掲載しておりますので、住宅ローンの検討にお役立てください。

<<フラット35(買取型)とフラット35(保証型)の概要と違い>>
フラット35 買取型と保証型の概要と違い
種類フラット35(買取型)フラット35(保証型)
ローンの
貸し手
金融機関
但し、借入者の住宅ローンは、融資実行後に住宅金融支援機構が買い取ります。
金融機関
取扱金融機関 337機関 4機関
返済窓口 申し込み金融機関 申し込み金融機関
利用者条件
  • 申込時の年齢が満70歳未満(親子リレー返済を利用する場合は、満70歳以上もOK)。
  • 安定した収入がある。
    原則として、申込み年度の前年の収入で審査。
  • 日本国籍あるいは、永住許可を受けている者または特別永住者。
  • 年収に占めるすべての借入れ(フラット35を含む※1)の年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が、下記の基準を満たしている者。
    【年収400万円未満の場合】
    総返済負担率30%以下
    【年収400万円以上の場合】
    総返済負担率35%以下
←同左
資金の
使いみち
本人または親族が住むための住宅の建設、新築住宅の購入または中古住宅の購入のための資金。※2 本人または親族が住むための住宅の建設、新築住宅、中古住宅の購入または住宅ローンの借り換えのための資金。※8
借入れ
対象住宅
【共通】
  • 住宅の床面積(上限はありません)。
    ・一戸建て、重ね建て、連続建て住宅の場合:70u以上
    ・共同住宅(マンションなど)の場合:30u以上
  • 住宅の耐久性などについて住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合していること。※3
  • 店舗や事務所と併用した住宅の場合、住宅部分の床面積が全体の1/2以上あること。※4
【新築住宅】
  • 建設費(建設に付随して取得した土地の購入費も含められます※5)、 または購入価額が1億円以下(消費税を含)。
  • 申込み時点において竣工から2年以内の住宅で、人が住んだことがない住宅。
【中古住宅】
  • 購入価額が1億円以下(消費税を含む) 。
  • 申込み時点において、竣工から2年を超えている住宅、または既に人が住んだことのある住宅 。※7
【共通】
  • 住宅の床面積(上限はありません)。
    ・一戸建て、重ね建て、連続建て住宅の場合:70u以上
    ・共同住宅(マンションなど)の場合:30u以上
  • 住宅の耐久性などについて住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合していること。※9
  • 店舗や事務所と併用した住宅の場合、住宅部分の床面積が全体の1/2以上あること。
【新築住宅】
  • 建設費(建設に付随して取得した土地の購入費も含められます※5)、 または購入価額が1億円以下(消費税を含む)。
  • 申込み時点において竣工から2年以内の住宅で、人が住んだことがない住宅。
【中古住宅】
  • 購入価額が1億円以下(消費税を含む) 。
  • 申込み時点において、竣工から2年を超えている住宅、または既に人が住んだことのある住宅 。※7
【借換えの対象となる住宅】
  • 当初の住宅の建設費または購入価額(ともに土地取得費がある場合にはその費用を含む)が1億円以下(消費税を含む)。ただし、住宅・土地の担保評価により融資金額が制限される場合があります。
融資金額 100万円以上8,000万円以下で、建設費または購入価額の90%以内(1万円単位)。 100万円以上8,000万円以下で、建設費または購入価額の100%以内(1万円単位)。但し、取扱金融機関によっては90%以下の場合もあります。
また、住宅ローンの借換えの場合は、現在借入中の住宅ローンの残高以下。
借入期間 下記のいずれか短い年数であること(1年単位)。
  • 15年以上35年以内
    但し、申込人(連帯債務者を含む)の年齢が満60歳以上の場合は10年以上。
  • 「80歳」−「申し込み時の年齢(1歳未満切り上げ)」
下記のいずれか短い年数であること(1年単位)。
  • 15年以上35年以内
    但し、申込人(連帯債務者を含む)の年齢が満60歳以上の場合は10年以上。
  • 「80歳」−「申し込み時の年齢(1歳未満切り上げ)」
尚、住宅ローンの借換えの場合は、「35年」−「現在借入中の住宅ローンの経過年数(1年未満切り上げ)」まで。
借入金利
  • 全期間固定金利
  • 借入期間(20年以下・21年以上)に応じて、借入金利が異なります。
※借入金利は、金融機関によって異なり、適用金利は申し込み時ではなく、資金の受け取り時となります。
  • 全期間固定金利
※借入金利は、金融機関によって異なり、適用金利は申し込み時ではなく、資金の受け取り時となります。
融資手数料
物件検査
手数料
  • 融資手数料は金融機関によって異なります。
  • 物件検査の手数料は検査機関または適合証明技術者(中古住宅のみ)や住宅を建設・購入される地域、一戸建てかマンションかによって異なります。
←同左
保証料・繰上返済手数料 不要。
※繰上返済を行う場合は、1か月前までに返済中の金融機関に申し出る。
※一部繰上返済の場合、繰上返済日は毎月の返済日となり、返済できる金額は100万円以上。
不要。
※繰上返済を行う場合は、金融機関によって異なります。
返済方法 元利均等毎月払いまたは元金均等毎月払い
※ 6か月ごとのボーナス払い(借入金額の40%以内(1万円単位))も併用可。
←同左
担保 融資対象となる住宅及びその敷地に住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定。 融資対象となる住宅及びその敷地に金融機関を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定。
保証人 不要。 ←同左
団体信用
生命保険
原則として、住宅金融支援機構団体信用生命保険制度に加入。
別途、特約料が必要。
原則として、金融機関の提供する団体信用生命保険制度にご加入。
特約料の取扱いは、取扱金融機関によって異なります。
※機構団体信用生命保険は利用できません。
火災保険 返済を終了するまでの間、融資の対象となる住宅に火災保険が必要。
※ 火災保険料は別途必要。また、住宅金融支援機構の特約火災保険は使用不可。
【敷地に抵当権を設定する場合】
  • 保険期間及び払込方法は、金融機関によって異なります。
【敷地に抵当権を設定しない場合】
  • 保険期間は返済期間以上、払込方法は長期一括支払。
    また、火災保険金請求権に、住宅金融支援機構を質権者とする第1順位の質権設定が必要。
融資対象となる住宅への火災保険、火災保険金請求権に対する質権設定の有無は金融機関によって異なります。
また、火災保険を付保する場合は、火災保険料は必要となります。
※住宅金融支援機構の特約火災保険は使用不可。

※1:すべてのお借入れとは、フラット35による借り入れのほか、フラット35以外の住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン(クレジットカードによるキャッシングや商品の分割払い・リボ払いによる購入を含みます。)などの借入れをいいます。

※2:リフォームのための資金や、ローンの借り換えには利用できません。

※3:基準の適合にあたっては、検査機関または適合証明技術者(中古住宅のみ)が発行する適合証明書が必要。

※4:敷地面積の要件はありません。

※5:下記の1〜3までの要件にあてはまる場合には、土地の購入資金も融資対象となります。ただし、資金の受け取り時期は、住宅の竣工後(※6)になるので注意が必要です。

  1. 住宅の建設に付随して購入した土地であること。
  2. 土地の取得時期が申込日の前々年度4月1日以降であること。
  3. 建物建設費に対するご融資と併せて申込みすること。尚、土地購入資金のみに対する融資は不可。

※6:土地の購入資金に対する融資金は、建設費の融資金と併せて、住宅の竣工後の受け取りになります。土地購入資金に対する融資のみを先に受け取ることはできません。注文住宅の場合で、住宅竣工前に土地購入資金の支払いが必要な場合は、いったん、自己資金を用意するか他のローンを利用する必要があります。尚、いったん他のローンを利用して土地を取得する場合、ローン残高ではなく、取得時の購入価額がフラット35の融資対象となります。

※7:建築確認日が昭和56年5月31日(建築確認日が確認できない場合にあっては、新築年月日(表示登記における新築時期)が昭和58年3月31日)以前の場合、機構の定める耐震評価基準等に適合していることを確認する必要があります。

※8:リフォームのための資金には利用できません。

※9:基準の適合にあたっては、検査機関または適合証明技術者(中古住宅または借換えの場合)が発行する適合証明書が必要。



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