住宅ローンの基礎知識  住宅ローンの金利タイプとは

 ● 住宅ローンの金利タイプとは

金利タイプ

住宅ローンを選ぶうえで重要ポイントの一つが、どの金利タイプを選択するかです。

現在、扱われている住宅ローンの主な金利タイプは、公的融資から民間融資まで含めて、大きく分けて「変動金利型」、「固定金利選択型」、「固定金利型」、の3つの金利タイプがあります。

それぞれの特長とメリット・デメリットを理解した上で、ご自分のライフプランに合った、金利タイプを選択することが大切です。


 ◆ 変動金利型

変動金利型

変動金利型とは、借入期間中、世の中の金利の動きに合わせて金利が変動する金利タイプで、年2回 金利が見直されますが、返済額の変更は5年に1度行われ、返済額の上昇幅は最大25%までとされています。


変動金利型は、金利が半年に1回見直されるため低金利時期や金利が下がっている時には金利が抑えられるためメリットを受けることができますが、金利が上昇した場合、適用される金利自体は半年ごとに制限なく変わり、支払う利息も増すので、金利上昇リスクを受ける点で注意が必要です。

この他に、上限金利を設定した上限金利特約(キャップ)付変動金利型というものもあり、上限金利が決まっているため市場の金利が上昇したとしても影響を受けないというメリットがありますが、初期に設定される金利は高めです。

公的融資の財形住宅融資は、5年毎の金利見直しとなっていて、「5年固定金利型」という紛らわしい表現で紹介されていますが、5年ごとに金利と返済額が見直されるので、民間住宅ローンで言うところの「変動金利5年もの」と同じタイプというわけです。
また、財形住宅融資の場合は、金利変更後の返済額の上限が1.5倍となっている点に注意が必要です。


 ◆ 固定金利選択型

固定金利選択型

固定金利選択型とは、当初から数年間の金利が固定される特約を結ぶ金利タイプで、都市銀行をはじめ信託銀行や地方銀行など、多くの民間金融機関でこのタイプが扱われ、借入後、金利が固定される期間には、2年、3年、5年、10年などがあります。
その固定金利期間終了後は、その時点の金利で改めて「変動金利型」や「固定金利選択型」を選ぶことになっています。
尚、一部の金融機関には、一度変動金利型を選ぶと、再び固定金利型を選べないという商品もあるので、あらかじめ確認することをお勧めいたします。


固定金利選択型は、固定金利期間が短いほど金利が低めで、キャンペーン合戦の代表的な商品といえます。

たとえば、期間の短い2年固定タイプや3年固定タイプは、キャンペーンによる優遇金利にて、一般の変動金利型より金利が低い場合もあります。
また、当初の固定金利期間終了後も、一定の割合で金利優遇してくれる商品が多くなっています。その優遇幅は、店頭の表示金利から−0.2%、−0.4%、−0.7%など金融機関によってさまざまです。

しかし、固定金利期間が終了し、金利が改定した後の返済額は、適用される金利しだいで変わります。返済額の変動幅については、変動金利型のように上限が設定されていないので、金利が上がればそれだけ即座に毎月返済額も上昇してしまいます。

尚、固定金利選択型も、完済までの期間に金利がかわるので、変動金利型の一種とも言えます。


 ◆ 固定金利型

固定金利型

固定金利型とは、住宅ローンを組む際の最初に決められた金利が、返済終了まで一定に続く金利タイプで、「全期間固定金利型」とも言われ、金利が固定であるため、低金利時に住宅ローンを組むと将来金利上昇時のリスクを減らすことができ、また、返済金額が変動しないため返済計画が立てやすい面もあります。

固定金利型は、都市銀行などを中心とした一部の民間住宅ローンや、証券化ローンである「フラット35」で採用されています。
また、当初の一定期間(10年が一般的)より、それ以降の金利が若干高く設定されている「段階金利型」も固定金利型の一種です。


全期間固定金利型」も「段階金利型」も、いずれも借入時点で将来の金利が決まるため、将来的な返済額もあらかじめ確定しますが、金利水準は変動金利より高めに設定されているのが一般的です。
また、金利が下降した場合、結果的に金利負担が大きくなることになるので、金利の差が大きくなる場合には、住宅ローンの「借り換え」を検討する必要があります。


<<金利タイプのメリット・デメリット>>
住宅ローンの金利の種類
種類特徴メリット注意点
変動金利型変動金利
  • 年2回、金利が見直されますが、5年間は返済額固定の場合が多い。
  • 低金利期や金利下降期には低金利メリットを享受できる。
  • 返済額は5年間変わらないため、 急激な金利上昇期には未収利息が元金に組み込まれ、元金が増えることもあります。
  • 適用金利が上がると5年毎に返済額がアップする。
上限金利特約※1
  • 年2回、金利が見直されるが、上限金利を超えることはない。
  • 期間内は上限金利以上に金利が上がらない安心感がある。
  • 低金利期や金利下降期には低金利メリットを享受できる。
  • 当初設定した期間ごとに返済額は変わる。
  • 適用金利が上がると返済額はアップ。
  • 上限金利が設定されている分、変動よりもリスクは抑えめだが、その分金利は高め。
固定金利型全期間固定
  • 全期間適用金利が変わらない。
  • 適用金利が変わらないため、低金利時に借りれば、将来の金利上昇リスクをヘッジできる。
  • 返済額が一定のため、家計管理しやすい。
  • 金利下降期に借りると、結果的に金利負担が大きくなる可能性もあります。
  • 金利が低下して金利差が一定以上になったら、借り換えも検討しましょう。
段階金利
  • 11年目に金利がアップする段階金利。
  • 途中で1度の金利上昇はあるものの、低金利時に借りれば、将来の金利上昇リスクをヘッジできる。
  • 金利は1度変わるだけなので、比較的家計管理しやすい。
固定金利選択型
  • 固定期間終了後、金利状況に応じて、固定金利か変動金利か選ぶ。※2
  • 固定期間終了後、金利状況に応じて、固定金利か変動金利か選べ自由度がある。※2
  • 金利上昇が続くと、初めから長期の固定金利にしておいた方が有利な結果になり、金利下降が続くと、初めから変動金利にしておいた方が有利な結果になる。

※1:(キャップ)付変動金利

※2:一部の金融機関には、一度変動金利型を選ぶと、再び固定金利型を選べないという商品もあるので、あらかじめ確認することをお勧めいたします。


 ◆ 金利タイプ選びの原則

どのタイプの金利を選択するかは、住宅ローン選びの重要なポイントです。
一般に、住宅ローンは高額で長期の借入れになるので、固定金利がセオリーとされています。

固定金利は借入時に返済までの金利が決定します。つまり、毎月の返済額と、総返済額の上限が決定されるので、毎月の家計管理もしやすく、老後生活資金のプランニングもしやすくなります。

固定金利を選択した場合のリスクは、借入後にさらに金利が低下すると、結果的に金利負担が大きくなるという点ですが、このリスクは低金利のものに借り換えを行うことによってある程度防ぐことができます。
将来、借換えがしやすいよう、なるべく繰上げ返済を行ってローン残高を減らしておくなどの対策も必要です。


 ○ 固定金利を選ぶのがセオリー。

自分が利用できる住宅ローンの金利をすべて確認してみましょう。複数の住宅ローンを使わなければならない時には、原則的に金利の低いローンを優先して資金計画を考える。




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