住宅ローンの基礎知識  民間住宅ローンの概要

 ● 民間住宅ローンの概要

民間住宅ローン

フラット35」や「公的融資」のほかに、銀行・労働金庫・保険会社・ノンバンクなどが行なう「民間住宅ローン」があります。

以前は公的融資に比べ金利水準が高めでしたが、現在では低金利と多様化によって魅力あるローンが多く登場しています。


 ◆ 民間住宅ローンの自由化

民間住宅ローンは、ノンバンクも含めてさまざまな金融機関が融資を行なっていますが、やはり取扱い件数から言っても、銀行が中心になります。

平成6年に住宅ローンの自由化が始まる以前は、行政指導によってどの銀行でローンを組んでも金利やシステムが同じでしたが、現在では金利はもちろんのこと、保証料を無料にしたり、毎月の返済額を一定額以上で定期的に変えられるローンが登場するなど、システムの面でも各金融機関が独自性をだし競争化が激しくなっています。

現在のような低金利になる以前は、公的融資に比べ金利が高かったため、公的融資が利用できない場合や、公的融資でまかないきれない部分を補うために、民間住宅ローンが利用されていましたが、現在では、住宅ローンの重要な選択肢となっています。


 ◆ 民間住宅ローンのメリット

銀行などの「民間住宅ローン」は、フラット35や公的融資にはない、いくつかのメリットをもっています。


◎民間住宅ローンのメリット

  1. 収入基準が緩やか
    フラット35(買取型)などと比較すると、収入基準がゆるやかに設定されているので、条件が整えば、借入希望額の全てを満たすことも可能。
  2. 対象物件の規制が少ない
    フラット35や財形住宅融資では、価格や面積など、物件の条件が厳しく決まっていますが、民間住宅ローンでは殆ど制限がありません。
  3. 借り換えでも利用できる
    フラット35(買取型)や財形住宅融資では、ローンの借り換えは出来ませんが民間ローンなら可能です。

※尚、上記記載のメリットは、「フラット35」及び公的融資の「財形住宅融資」と比較した一般的な内容です。


 ◆ 民間住宅ローンの融資条件

民間住宅ローンの融資が受けられる条件は、「フラット35」や「財形住宅融資」では、適合証明書など物件に対する条件が細かく決められていますが、民間住宅ローンは、最終的に貸出した資金が回収されればよいので、物件に対する条件が少なく、それぞれの担保価値などによって、融資されるか否かが決まります。

例えば、中古物件で公的融資が受けられない物件であっても、維持管理のしっかりした物件で、資産性があり、将来の資金回収に問題がなければ、築年数は融資の条件ではなくなることもあります。


◎銀行の住宅ローンの融資条件・概要

<<利用できる人>>

  1. 借入れ時に満20歳以上60歳未満で、最終ご返済時の年齢が満81歳未満の方。
    銀行によっては借入れ時、満70歳の誕生日までの方で、完済時満80歳の誕生日までの方など、若干の年齢の違いがあります。
    また、長期固定金利型の場合には、借入れ時に20歳以上59歳の誕生日までと、年齢を低く抑えているケースも見受けられます。
  2. 同一勤務先に満3年以上勤務されている方。
    銀行によっては、勤続年数2年以上(自営業の場合は業歴2年以上)の方など、若干の違いがあります。
  3. 安定した収入が見込まれる方。
    銀行によっては、前年度税込み年収が300万以上などと金額を明確にしている銀行もあります。
  4. 指定の団体信用生命保険に加入が認められる方。
  5. 指定の保証会社の保証が受けられる方。
  6. 日本国籍の方、または永住許可等を受けている外国人の方。

※:自己資金の割合が20%以上でないと、住宅ローンを利用できない商品もあります。また、20%以上確保できる場合は、金利が低く抑えられ魅力ある住宅ローンの商品もあります。

<<融資金額>>

  1. 50万円以上1億円以内(1万円単位)。
  2. 売買契約金額、若しくは建築請負契約金額の範囲内。
    銀行によっては、購入や建設資金に伴う諸費用を含めて利用できる「諸費用加算タイプ」の商品も見受けられますが、金利は高く設定されています。
  3. 税込み収入に占める年間返済額の割合が、35%以内(他の住宅ローン等の返済額を含め)など、各銀行が定める一定の範囲内。

<<資金の用途>>

  1. 住宅の新築・購入資金。
  2. マンションの購入資金。
  3. 住宅の増改築・修繕資金。
  4. 中古住宅(マンションを含む)の購入資金 。
  5. 住宅用土地(建物建築計画のある場合)の購入資金。

※:本人または家族が住むための住宅等の資金で、基本的には上記記載の内容ですが、一部の銀行では、購入資金のみを対象として、住宅の新築建設資金や建築条件付きの建設資金などを扱っていない場合があります。

<<保証人・保証料・保証料事務手数料>>

  1. 銀行指定の保証会社を利用し、独自の保証人は不要。
  2. 保証料は原則的に要。
    支払方式は、始めに一括で支払う「外枠方式」と金利に加算する「金利上乗せ方式」の2つの支払方式から選択。
    「金利上乗せ方式」では、金利に一律0.2%を加算するタイプと0.2%〜0.8%など幅を持たせているタイプがありますので比較検討する上で注意して下さい。
    また、保証料を不要とアピールしている銀行や商品がありますが、その分、金利が高めに設定されていますので、比較検討する上で注意が必要です。
  3. 原則的に事務手数料として、31.500円が必要。
保証料例(外枠方式)

<<担保・火災保険・団体信用生命保険>>

  1. 担保として保証会社が住宅とその土地に第一順位の抵当権を設定。
  2. 建物に長期火災保険をかけることが必要。保証会社が質権を設定。
  3. 銀行の指定する団体信用生命保険に加入。保険料は銀行負担が原則。

※上記記載の「銀行の住宅ローンの融資条件・概要」の内容については、各銀行の一部を抜粋して掲載していますので、銀行によって違う場合があります。


 ◆ 銀行の住宅ローンの金利と特徴

住宅ローンの基準となる金利は、「プライムレート」というもので、銀行が優良企業に貸出すときの優遇金利です。プライムレートには長期(長プラ)と短期(短プラ)があり、以前は長プラに連動するローンが中心でしたが、現在はほとんど短プラ連動のローンに切り替わりました。

銀行が扱っている住宅ローンで、主力となるのが「固定金利選択型ローン」です。ベースは変動金利型ですが、2年、3年、5年、10年など当初一定期間の金利を固定にするのが最大の特徴です。また、金融機関等によってさまざまな名称が使われ、「固定金利特約型」、「固定期間設定型」などは、全て同じ種類のローン商品です。

また、各銀行では借り手に対して解りやすくするために、住宅ローンの商品をタイプ別に設定を行なって、案内しているケースが主流のようです。

  1. <<当初期間優遇タイプ>>
    借り始めの月々の返済をできるだけ抑えたい方。
  2. <<全期間一律優遇タイプ>>
    完済まで金利優遇のメリットを受けたい方。
  3. <<全期間固定タイプ>>
    将来の金利上昇が不安だから、長期間固定金利にしたい方。

◎当初期間優遇タイプ

当初期間優遇タイプとは、初期段階の返済額を抑えるために、固定金利選択型ローン(固定金利特約型)の特約期間の金利を店頭表示金利基準金利)より、大き目の優遇金利(※1)として金利を減じて、特約期間の金利を低く抑えたタイプです。

特約期間は、概ね、2年、3年、5年、7年、10年等、各銀行によって違います。
また、自己資金が住宅の新築・購入資金の20%以上用意できる場合には、更に優遇金利として0.2%金利を減じたり、若しくは保証料相当分の金利を減じたりと、銀行によってさまざまな対応の商品が用意されています。

当初期間優遇タイプ」は、特約期間が終わると変動金利にするか、もう一度固定金利にするか選択ができ、更に、特約期間終了後も、初期段階よりも抑えられていますが、その時点での基準金利より優遇金利(※2)として減じた金利が適用できます。

※1:優遇金利として減じる金利は、▲1.50%〜2.35%と各銀行によって違います。

※2:優遇金利として減じる金利は、▲0.40%〜1.00%と各銀行によって違います。

※特約期間終了後の基準金利が決まっていないため、特約期間終了後の返済額が増える場合があります。

尚、当初期間優遇タイプの詳細については、住宅ローン優遇金利とはを参照ください。


◎全期間一律優遇タイプ

全期間一律優遇タイプとは、変動金利型ローン、及び固定金利選択型ローン(固定金利特約型)の返済が完了するまで、金利優遇のメリットを受けるために、全期間にわたって一律の優遇金利(※3)として減じた金利を適用するタイプです。

※3:優遇金利として減じる金利は、▲1.00%〜1.20%と各銀行によって違います。

※特約期間終了後の基準金利が決まっていないため、特約期間終了後の返済額が増える場合があります。

尚、全期間一律優遇タイプの詳細については、住宅ローン優遇金利とはを参照ください。


◎全期間固定タイプ

返済計画通りに、毎月の返済額を一定にして、金利が上昇した時にリスクを負わないよう、完済するまでの全期間を通じて一定の金利を適用するタイプです。
一般的には、超長期固定金利型として、商品が用意されていますが、金利は変動金利型に比べ高く設定されています。また、一部の銀行では、全期間固定タイプにしては短い、15年、20年の期間で、優遇金利(※4)として、減じた金利を適用している商品も見受けられます。
また、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携しているフラット35では、保証料や繰上げ返済の手数料がかからないため、全期間固定タイプを選ばれた方は、フラット35を優先に検討されることをお勧めいたします。

※4:優遇金利として減じる金利は、▲1.60%〜1.65%と各銀行によって違います。


 ○ 各金融機関の基準金利と優遇金利の比較例

当初期間優遇タイプ

当初期間優遇タイプ金利比較

全期間一律優遇タイプ

全期間一律優遇タイプ金利比較


※ここに記載する内容は、平成20年11月時点での各銀行の住宅ローンの内容をベースに記載しています。



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