住宅ローンの基礎知識  住宅ローンで必要な諸費用とは

 ● 住宅ローンで必要な諸費用とは

住宅ローンで必要な諸費用

住宅を取得(建設)する際には、物件の購入(建設)金額以外に税金や手数料、引越し費用などがかかります。これらは現金での支払いがほとんどなので、頭金とは別に準備しておく必要があります。

諸費用は金融機関や契約内容によっても異なりますが、物件価格の1割が目安と言われています。
売買契約(請負契約)締結時や金融機関との金銭消費貸借契約時、引渡し時、入居時などそれぞれに費用がかかりますが、ここでは、住宅ローンを利用する際に必要となる費用とそのポイントを掲載いたします。

住宅ローンで必要な費用として、「印紙代」、「融資事務手数料」、「抵当権設定登記費用」、「抵当権設定登記手数料」、「住宅ローン保証料」、「団体信用生命保険料」、「火災保険料地震保険料」、フラット35を使用する場合は「物件検査手数料(※1)」などの費用が必要となります。

※住宅建設にかかる総費用については、住まいづくりの知識上手/住まいづくりで必要な費用(予算計画)を参照下さい。


  印紙代

印紙代

印紙代とは、住宅ローンを借りるときに、「金銭消費貸借契約書」を金融機関と締結しますが、これらの契約書を締結する場合に、印紙税を必ず納めなければなりません。
契約書1通ごとに収入印紙を貼り、ハンコなどで消印することによって、印紙税を納めたことになります。

※住宅や土地を購入する時に締結する売買契約書や、住宅の建設時の住宅メーカーや工務店と締結する工事請負契約書、若しくは、設計事務所に設計を依頼する場合の設計業務委託契約書にも、同様に印紙税が必要となります。


  融資事務手数料

融資事務手数料とは、融資を受ける金融機関に支払う事務手続の手数料です。金融機関によっては不要な場合もあります。
また、住宅メーカーや工務店などで、建築主の代理として融資申込みや、融資先の金銭消費貸借契約立会いなど、サポートする対応費用がかかる場合があります。しかし、その場合には工事請負契約の諸費用、又は預かり金対応として、融資実行時には必要ありません。


※費用については、金融機関によって異なりますが、平均的な手数料は3万円〜5万円程度です。また、フラット35の場合、定額(3〜5万円程度)、または、定率(融資額×2.1%等)及び最低事務手数料を定めている金融機関などがあります。
尚、定率を採用している場合は、事務手数料は高くなりますが、その分金利が低く設定されているのが一般的です。


  抵当権設定登記費用

抵当権設定登記費用とは、住宅ローンを借入れ、抵当権設定を登記する際に「登録免許税」が必要です。
登記を行う際に、登記印紙で法務局(登記所)に納める費用。また、それと同時に司法書士に支払う抵当権設定登記手数料が必要です。


【抵当権設定登記  登録免許税】
@・・・ 借入額 × 0.1%(特例措置)
A・・・ 借入額 × 0.4%(特例措置適用外)

※下記の項目にすべて適合する場合に特例措置が受けられます。

  1. 平成21年3月31日までに新築又は取得した家屋であること 。
  2. 自己の居住の用に供される家屋であること 。
  3. 新築又は取得後1年以内の登記であること 。
  4. 登記簿上の家屋の床面積が50u以上であること 。
  5. 中古住宅の場合、木造等では取得日において築20年以内、マンション等では築25年以内であること 。または、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、又はこれに準ずるものに適合するものであること。(新耐震基準へ適合するものであること)
  6. 平成17年4月1日以降の取得であれば、耐震性を有する住宅 (証明書が必要) については築年数を問わない 。
  7. 登記の申請書に当該家屋所在地の市長による住宅用家屋証明書を添付していること 。

  抵当権設定登記手数料

抵当権設定登記手数料とは、「司法書士報酬」と呼ばれているもので、住宅ローンを利用し、住宅又は土地に抵当権を設定する場合に、法務局(登記所)への登記申請を司法書士に依頼するときに支払う報酬です。


※費用については、登記の内容や依頼する司法書士によって異なります。


  住宅ローン保証料

住宅ローン保証料とは、返済不可能となった場合に備え、連帯保証人の代わりに保証会社に保証を依頼するために支払う費用です。


※費用については、借入金額、借入年数、保証会社によって異なります。民間金融機関の保証料は2,000万円(返済期間30年)借りた時は、おおよそ40万円程度。
保証料の支払方式には、始めに一括で支払う「外枠方式(一括前払方式)」と金利に加算される「金利上乗せ方式」の2つの支払方式から選択するのが一般的です。
尚、保証料が不要を歌い文句にしている商品も見受けられますが、その分、金利が高く設定されている場合が殆どです。

また、フラット35のように保証料が不要なローンもあります。

保証料例(外枠方式)

  団体信用生命保険料(団信)

団体信用生命保険料団信)とは、団体信用生命保険に加入すると、万一、返済の途中で加入者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残額が返済されための保険料です。

民間金融機関のローンは、加入が融資の条件となっている場合が大半です。 また、フラット35の場合は、加入が融資の条件ではありませんが、ほとんどの方が加入されています。

保険料は、借入残高、借入期間によって異なりますが、民間金融機関の団信の保険料は、金利に上乗せ(0.3%程度)されることが一般的で、ローンの返済と別に支払う必要はありません

しかし、フラット35を利用する場合の団体信用生命保険料は、ローンの返済とは別に毎年1回支払うことになります。また、保証型のフラット35には、金融機関によって保険料を金利に組み込んだ商品が設けられています。


※フラット35の特約料は、例えば、期間35年、元利均等返済で1,000万円借入れた場合、初年度は28,100円(平成21年4月以降、初年度は35,800円)、2年目以降は借入残高の減少に伴い、徐々に減っていきます。特約料は平成21年4月より改定されます。


【フラット35の団体信用生命保険料 例】
元利均等返済  期間35年  借入金2.000万円  平成21年4月以降の場合

35.800円 × ( 融資額   ÷ 1.000万円 ) = 保険料算定式
35.800円 × ( 2.000万円 ÷ 1.000万円 ) = 71.600円(保険料)


  火災保険料・地震保険料

火災保険は、建物や家財等の財産が、万一、火災や自然災害・盗難等の危険に見舞われたときに、その損害を補償する保険として必要です。近隣からの類焼の損害に備えるためにも火災保険には必ず加入しておきましょう。
また、火災保険では地震・噴火・津波を原因とする火災等の損害については補償されません。これらの損害を補償するために、火災保険とは別に地震保険に加入することもお勧めします。

火災保険については多くの金融機関で加入が義務化されています。また、地震保険については任意加入としている金融機関が多いようです。


保険料は、下記の計算式により算出します
【計算式】
火災保険 保険料=保険金額×(基本料率×保険期間係数)
地震保険 保険料=保険金額×{基本料率×(100−割引率)×保険期間係数}


◎火災保険料

火災保険の基本料率は、建物の所在地・構造・用途によって決まります。特に建物の構造は、火災の燃焼危険や損傷危険の度合いの要素となるため、建物の外壁・屋根・床・柱などによって基本料率が異なります。
具体的には構造A〜Dの4つの級別に分かれています。

【建物の構造】
A構造・・・耐火構造(鉄筋コンクリート造等)
B構造・・・準耐火構造(鉄骨造、木造準耐火構造※1)
C構造・・・省令準耐火構造※2(2×4、2×6、木質系プレハブ)
D構造・・・木造(鉄骨造プラスチック張り、鉄骨木板張り、木造板張り)

※1:木造準耐火構造の住宅については、建物性能の基礎知識/防火・耐火性能の準耐火建築物とはを参照下さい。
※2:省令準耐火構造の住宅とは、建築基準法に基づく準耐火構造に準ずる防火性能を有する住宅として、住宅金融支援機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令(平成19年財務省・国土交通省令第1号)第39条第3項第1〜4に定める基準に適合する住宅をいい、具体的には次の1〜3のいずれかの住宅または工法です。

  1. 住宅金融支援機構の定める省令準耐火構造の仕様に基づき建設された枠組工法(2×4)住宅。
  2. 省令準耐火構造とし住宅金融支援機構が承認したプレハブ住宅。
    ※省令準耐火構造の仕様を有するプレハブ住宅であっても、選択する仕様によっては、必ずしも省令準耐火構造の住宅とならない場合があります。
  3. 省令準耐火構造として住宅金融支援機構が承認した住宅または工法。

※省令準耐火構造の住宅の場合、一般の木造住宅より火災保険料が割安となる可能性があります。火災保険における省令準耐火構造の住宅の取扱いについては、各保険会社にお問い合わせください。


火災保険の保険金額とは、建物の評価額(新築価額)までの間で決めることとなっていますが、建物の評価額以下で契約されていると、万一の場合、十分な支払いを受けられない恐れがありますので、保険金額は評価額いっぱいで契約されることをお勧めします。


◎地震保険料

地震保険の基本料率は、地域によって地震の発生率が違うため、都道府県ごとに4種類の等地に分かれており、等地によって保険料率が異なります。詳しくは各保険会社にお問い合わせください。


地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額(契約金額)の30%〜50%に相当する範囲内で、建物5.000万円、家財1.000万円が限度となります。支払保険金は、全損、半損、一部損によって、地震保険金額の100%、50%、5%が支払われます。


  フラット35物件検査手数料

フラット35物件検査手数料とは、フラット35を利用する場合に、建設する住宅が耐久性などの技術基準に適合しているかどうか物件検査を受け、適合していることを証明する適合証明書の交付を受けるための申請先に支払う費用です。

申請先は、住宅金融支援機構と協定を締結している指定確認検査機関または指定住宅性能評価機関です。


※費用については申請先の各機関によって異なりますが、目安として、新築住宅(一戸建て)で2〜3万円、中古住宅(一戸建て)で4〜6万円程度の費用を申請先に支払い、その申請の代理対応に必要な経費がかかります。

尚、建築主、若しくは購入者の代理として、請負者 若しく売主側が申請及び適合証明書の受領対応を行なうため、申請先に支払う物件検査手数料に加え代理申請にかかる経費を含め、工事請負契約内の設計費用や諸経費内に計上される等、建築主若しくは購入者が、直接申請先の指定確認検査機等に払うことはありません。
支払時期は適合証明書を申請する時に必要です。(フラット35の流れを参照下さい。)



<<住宅ローン手続の際に必要となる費用>>
住宅ローン手続の際に必要となる費用
諸費用の種類支払先支払時期要・不要
印紙代税務署
※住宅ローン契約書に貼付
住宅ローン契約締結時
融資事務手数料借入先金融機関融資実行時
抵当権設定登記費用法務局(登記所)登記申請時
抵当権設定登記手数料司法書士登記申請依頼時
住宅ローン保証料保証会社融資実行時
団体信用生命保険料生命保険会社融資実行時・毎年
火災保険料損保保険会社融資実行時
地震保険料損保保険会社融資実行時
フラット35物件検査手数料検査機関検査申請時

※必ず支払う費用:○  支払わなくてもよい場合がある費用:△



ホーム住宅ローンの基礎知識トップ | サイト・マップ





ホーム住宅ローンの基礎知識住宅ローンの基礎知識|住宅ローンで必要な諸費用とは