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電気設備仕様/ 電灯・照明設備(照明器具)

照明

照明は、室内で活動するために必要な明るさを確保するだけでなく、インテリアを美しく見せ、心地よい雰囲気を生み出すために大切なエレメントです。

光源照明器具についての基本的な知識を理解して、効果的な光の演出を心がけましょう。

尚、住宅業界では、水まわりや廊下などの照明器具は建築本体工事に含まれていますが、リビング・ダイニング・寝室・子供室・和室などの各部屋の照明器具は別途扱いとなり、一般的に建築本体工事に含まれていないので、注意するようにしましょう。



照明器具の種類


照明の方法には、主照明(全体照明)と補助照明(部分照明)があり、部屋全体を明るくするのが目的の主照明には、シーリングライトシャンデリアダウンライトなどがあります。
また、補助照明では読書灯やキッチンの手元灯のように、作業に必要な明るさを補う役割と、ブラケットライトスタンドスポットライトのように室内を演出する役割があります。

天井の真ん中にシーリングライトがひとつだけという照明プランでは、部屋が平坦な印象になりがちです。また、細かな作業に適した明るさに設定しておくと、ふだんの暮らしにはまぶしすぎて、電力の無駄使いにもつながります。

照明計画を立てるときは、部屋での生活行為をよく考え、主照明補助照明を上手に組み合わせるのがポイントです。


シーリングライト

シーリングライト

天井に直接つける照明器具で、高い位置から自然に部屋全体を照らします。圧迫感もなく、部屋が広く感じられるというメリットもあり、一般的に主照明として広く利用されています。


● ペンダント

ペンダント

ダイニングで活躍する照明器具で、コードやチェーンで天井から吊るして食卓を明るく照らす役割があります。テーブルのサイズに合わせて、テーブル全体が照らされるものを選びましょう。


● ダウンライト

ダウンライト

天井に埋め込まれるタイプの照明器具で、主照明となるものから、角度の調整ができるスポットライトとなる補助照明のものなどもあります。複数使って調光(ライトコントローラー)することで、さまざまな表情の部屋の演出が可能です。

尚、ダウンライトは照明器具自身が天井に埋め込まれるため、外気に通じている天井に設ける場合には、断熱施工用S形埋め込み形照明器具を使用するか、若しくは 防湿気密フイルムで構成した空隙を断熱層内に設け、ダウンライトをその部分に取り付けるようにすることが必要となります。

S形埋め込み形照明器具

S形埋め込み形照明器具とは、(社)日本照明器具工業会規格に定められたもので、マット状断熱材に特別の注意を必要としない「SG形」と、天井吹込工法による断熱材及びマット状断熱材に特別の注意を必要としない「SB形」の2種類があります。

防湿気密フイルムで構成した空隙

防湿気密フイルムで構成した空隙の大きさは、過熱防止のために十分な寸法が必要です。


調光 (ライトコントローラー)

調光 (ライトコントローラー)

調光とは、ライトコントローラーとも言い、ランプの明るさを調節する機能ことで、白熱灯の照明器具は「ライトコントローラー」を併用すれば、明るさを自由(100%〜0%)に調節でき、くつろぎや作業などの暮らしのシーンに応じた光の演出が自由自在にできます。
調光して照度を下げると、全灯時より消費電力がダウンして、ランプの寿命も延びるため省エネにもつながります。


● ブラケットライト

ブラケットライト

天井から照らすのではなく、壁の側面につけて壁を照らすことで、やわらかい雰囲気をつくりだし、部屋を立体的に演出するのに最適な照明器具です。室内だけでなく、廊下や階段まわりに使用することもあります。


● スポットライト

スポットライト

天井に取り付けて、絵画など特定の対象物を照らす照明器具。主照明が明るすぎると、効果が薄れますが、一点集中で照らすことが可能で、また、光の方向が自由に変えられるのも特徴です。


● フットライト (足元灯)

フットライト

床近くの壁に埋め込み、足元を照らす照明器具。主照明に加えてフットライト(足元灯)をつけると足元が明るくなり、夜間の安全性が高まるので、高齢者がおられる階段やトイレまわりなどの廊下に最適です。


● フロアスタンド

フロアスタンド

フロアスタンドは手元の補助照明のほかオブジェの役割も備えています。また、低い位置に置くものをロースタンドと呼び、落ち着き感を演出します。


● シャンデリア

シャンデリア

天井から吊るすタイプで、さまざまなデザインが施されている装飾性の高い照明器具です。来客の多い応接間やリビングなどの雰囲気を華やかにしてくれます。また、吹抜や階段などの天井が高い場所に適し、インテリアとのバランスを考えて選びましょう。尚、天井の高い場所に取り付ける照明器具には、「照明用電動昇降機」との併用が便利です。


照明用電動昇降機

照明用電動昇降機

照明器具はランプの交換や掃除をしたりとメンテナンスが必要ですが、高所での作業は安全面に不安があり、そこでお勧めなのが「照明用電動昇降機」です。スイッチひとつで照明器具が上下するため、メンテナンスに便利です。吹抜用のシャンデリアやペンダントには、この照明用電動昇降機に対応している照明器具が商品化されています。


照明器具の配光パターン

同じ明るさのランプを使っても、光源を包むシェードやカバーによって、光の出る方向や強さは異なり、照明器具によって配光パターン(光の出る方向)や光の強さが異なり、部屋の雰囲気はずいぶん変わります。
シェードやカバーは、大きくは光を通すものと通さないものに分かれ、スチールや木など光を通さないものでは、照射方向のみが明るくなり、陰影のメリハリを楽しめます。また、乳白ガラスや和紙は穏やかに広がる光を感じることができ、光の透過性が高いアクリルやガラスでは、照明器具のまわりも明るくなります。

照明器具をカタログで選ぶときは、シェードやカバーの形や素材を調べ、光の出方をイメージして、できれば点灯した状態をショールームで確認しましょう。


直接配光

直接配光

すべての光を直接、下に向って照射する配光パターン。
照明効果が高いため、部分的に強い明るさが必要なときにはよいが、天井や部屋のコーナーは暗くなりがちです。


間接配光

間接配光

すべての光を天井や壁にいったん照射させ、その反射光で明るさを得る配光パターン。
照明効率は落ちますが、まぶしさがなく落ち着いた雰囲気をつくり出します。また、天井を高く見せる効果もあります。


半直接配光

半直接配光

ほとんどの光が下方へ広がり、一部は透過性のあるシェード越しに上方にも広がる配光パターン。
直接配光よりまぶしさが少なく、陰影がやわらかい。また、部屋に中心感を作りだします。


半間接配光

半間接配光

ほとんどが間接配光と同様に天井や壁に照射させる反射光で、一部はシェードやグローブを通じて下方にも広がる配光パターン。
光が直接、目に入らずソフトな印象をつくりだします。


全般拡散配光

全般拡散配光

光を透過する乳白色のガラスやアクリルなどのグローブ越しに、光が全方向にやわらかく広がる配光パターン。
まぶしさや陰影を抑えたソフトな光で部屋を均一に照らします。


色温度と生体リズム


色温度と生体リズム

光源の色みを表すのに、ケルビン)という単位を用いる色温度の指標があります。

色温度は赤に近いほど低く、温度が高くなるにつれて黄色から白、そして青っぽい色へと変化します。身近なもので言えば、日の出や日没の色温度は低く、晴れた日の晴天の色温度は高くなります。

私たちの生体リズムもこの自然の営みに基づいているため、色温度の低い光源にはやすらぎを感じ、色温度の高い光源には活動性を感じます。
こうした生体リズムとの関係を考えて、くつろぐ場所には色温度の低い赤っぽい光と、作業をする場所では色温度の高い白っぽい光を用います。

このように、目的に合わせて照明計画を考えると、心と体の切り替えがスムーズにできるといえます。


勉強部屋やキッチンなど視作業をするスペースには、昼間の太陽光に近い青白い蛍光ランプが向いています。一方、心身をリラックスさせたいリビングや寝室などには、夕日のような赤みを帯びた白熱ランプや電球色の蛍光ランプが最適です。ただし、電球色蛍光ランプは、白熱ランプとよく似た光色ですが、白熱ランプの方が温もり感があります。



また、光の色は照度によっても雰囲気が変わってきます。青白い光は、照度が高い(明るい)と気分をさわやかにしてくれますが、照度が低い(暗い)と陰気で寒々しいイメージにもなります。
赤っぽい光の場合は、照度が低いと穏やかな感じになり、照度が高すぎると、暑苦しく感じることもあります。


照明器具のランプの種類

光源のランプの種類は、白熱ランプ白熱灯)と蛍光ランプ蛍光灯)に大別され、それぞれの特徴を理解して、目的に合わせて照明ランプを上手に使い分けるようにしましょう。

<<白熱ランプと蛍光ランプの特徴>>


白熱ランプ(白熱灯)と蛍光ランプ(蛍光灯)の特徴
項目白熱ランプ(白熱灯)蛍光ランプ(蛍光灯)
ランプ種別 電球色 昼白色
光の質感・色み
  • 陰影ができ、立体的にみせる。
  • 赤みを帯びた、やわらかくて温かみのある光。
  • 影ができにくく、フラットに見せる。
  • やや赤みを帯びた、やわらかくて温かみのある光。
  • 影ができにくく、フラットに見せる。
  • 青白く、太陽光のようなさわやかな光。
演出効果
  • 落ち着いた雰囲気で、くつろぎ感を演出。
  • ムードを演出したり、料理をおいしく見せる効果がある。
  • 経済的な蛍光ランプでありながら、あたたかみのある光色で、落ち着いた雰囲気やくつろぎ感を演出。
  • さわやかで活動的な雰囲気を演出。
  • 読書や勉強に適している。
特性
  • 色の再現性に優れ、食卓や洗面所によく使われる。
  • 点光源で輝度が高く、艶や立体感の表情に優れている。
  • 陰影のある、彫りの深い空間を作る。
  • 白熱ランプと違い、フラットな拡散光が得られるため、影ができにくい。
  • 露出して使用しても、あまりまぶしさを感じない。
点灯
  • スイッチを入れるとすぐに点灯する。
  • 廊下や階段など滞留時間が短く、ON・OFFが頻繁に行なわれる場所にお勧め。。
  • 調光器との併用で、調光がスムーズにできる。。
  • スイッチを入れてから点灯まで、やや時間がかかるものもある。
  • ランプ寿命を著しく消耗するため、ON・OFFが頻度に行なわれる場所にはあまり向いていない。
  • 調光器との併用は出来ない。
  • 調光機能(段調光、連続調光など)のある点灯回路では調光可能。
電気代 やや高い 安い
最適な空間 廊下・階段・サニタリー・ダイニング・リビング・エクステリア リビング・ダイニング・寝室・和室・エクステリア リビング・ダイニング・キッチン・書斎・子供部屋

蛍光ランプは、電気代が安くすむという経済性に優れ、白熱ランプのように熱を帯びないのが特徴です。
また、白熱ランプは、消費される電気のほとんどが熱線になるため、ワット数が大きいとどうしても熱くなりがちです。しかし、部屋の陰影を出しやすいこと、光を集中させやすいこと、調光器との併用で自由に明るさを変えることが出来ることなどが、白熱ランプの特徴です。

また、蛍光ランプは長寿命ですが、点灯時よりランプの始動時に消耗が激しく、白熱ランプの寿命は、点滅回数には影響しないので、長時間つけっ放しにする場所には蛍光ランプ、廊下や階段、トイレなど点灯時間が短く点滅回数が多い場所には白熱ランプが、一般的には使い分けられています。


住宅でよく使われるランプの種類を下記に記載しました。

白熱ランプ(白熱灯)

普通球

普通球

最も一般的なランプで、白色塗装型(ホワイト)と透明型(クリア)があります。


ボール球

ボール球

シンプルな球状のバルブ形状で、住宅・店舗・ホテルなどのムード照明、装飾照明などに幅広く使用できます。バルブの大きさも直径50mm、70mm、95mmがあり、ガラス仕上げホワイトは柔らかいムード、クリアはキラキラしたムードをつくりだし、インテリア効果を上げられるランプです。


クリプトン球

クリプトン球

アルゴンよりも熱伝導率の低いクリプトンガスの封入で、長寿命、高効率を可能にしたランプ。主にシャンデリアやダウンライト、スポットライト、ブラケットなど幅広く使用されています。
ガラス仕上げ、ホワイトとクリアの2タイプがあります。


レフ球

レフ球

バルブ内面にアルミを真空蒸着させ、球自体を反射鏡にしているランプ。ソフトな光が均一に広がるのが特徴です。店舗や住宅のスポットライトやダウンライト、屋外用では投光照明として幅広く使用できます。


シャンデリア球

シャンデリア球

炎の形をしていて、ランプそのものを見せるシャンデリアやブラケット、ペンダントなどに使用されます。


ダイクロイック ハロゲン球

ダイクロイック ハロゲン球

光を反射し熱線を透過させるダイクロイックミラーと組み合わせた反射板により、可視線を反射させることで、高い集光性を備えたハロゲンランプ。生鮮食品や服飾・美術工芸品など、熱を嫌うもののスポット照明に適しています。


蛍光ランプ(蛍光灯)

丸形蛍光ランプ(FCL)

丸形蛍光ランプ(FCL)

シーリングライトやペンダントなど、一般照明用としてよく使われているランプ。効率よく、広範囲をむらなく照らすランプ。


直管蛍光ランプ(FL)

直管蛍光ランプ(FL)

シーリングライトなど、一般照明用として幅広く使われるランプ。効率がよく、広範囲をむらなく照らすランプ。


電球形蛍光ランプ(EFA)

電球形蛍光ランプ(EFA)

普通球とほぼ同じ形のコンパクトな蛍光ランプ。電球色のほか昼白色もあります。


電球形蛍光ランプ(EFD)

電球形蛍光ランプ(EFD)

EFAは、このEFDにガラスのカバーがついたタイプ。どちらもインバーター回路が内臓されており、瞬時点灯が可能。


丸形スリム蛍光ランプ(FHC)

丸形スリム蛍光ランプ(FHC)

管径16mmのスリムな環状ランプ。このランプを用いるシーリングライトは、薄形で圧迫感が少ない。



照明器具の明るさの目安


照明器具を選ぶ際の明るさの目安は、照明器具の種類やランプ、部屋の内装仕上材等によって異なりますが、一般的な目安としてはワット数を基準に選びます。

下の表は、住宅用照明器具カタログに表示される居室(居間、寝室など)の主照明となる照明器具の適用畳数の表示基準です。照明器具やランプの種類みよって、広さ別にどのくらいのワット数が適しているか、照明器具を選ぶ際の参考にしてください。

また、人の視力は年齢を経るごとに低下していきます。20歳を過ぎると目の老化が始まり、物を正確に見るためには、40歳代では20歳の2倍、60歳代では3倍以上の明るさが必要となり、まぶしさには敏感になります。こうした視力の老化にともない、照明計画も変えていく必要があります。また、明暗の認識も低下するため、高齢者には明るくソフトな照明器具を選びましょう。

また、照度が同じなら暖色系の光より、寒色系の光の方が明るく感じるものです。白熱ランプや電球色蛍光ランプの照明器具では、やや明るめのものを選ぶといいでしょう。
また、光源との距離が遠くなるほど照度は低下します。和室の場合は、天井付けのシーリングライトより吊り下げ式のペンダントの方が明るくて快適です。


<<照明器具の明るさの目安>>

照明器具の明るさの目安


※注)


インバータ

インバータとは、インバータ回路で交流から直流に変換し、高周波で点灯させる蛍光灯の器具で、消費電力はそのままで、明るさは安定器を使用した照明器具より約20%アップし省エネ性に優れています。また、安定器を使用した照明器具のように、チラツキがなく目の疲労を軽減したり、スイッチONと同時に点灯するなど、蛍光灯照明器具のデメリットが解消されています。

インバータの照明器具は、段調光回路が内臓されているため、全点灯時の約60%に段調光が可能で、また、安定器使用の照明器具では、周波数帯による使い分けが必要でしたが、ヘルツによる地域区分に関係なく全国どこでも使えるのも特徴です。



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