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建具仕様/ ガラス(硝子)

外部建具に用いられるガラスには、フロート板ガラス(透明)、型板ガラス、すりガラス、線入・網入板ガラス、熱線吸収板ガラス(グレー・ブロンズ・グリーンなどの着色ガラス)、熱線反射板ガラス(ハーフミラー状)などの用途によって使い分けられている「単板ガラス」と、「複層ガラス」や「合わせガラス」・「強化ガラス」のように機能性を重視したガラスがあります。
ガラスを使用する箇所に、要求される機能に合わせてガラスを使い分けることで、快適な生活環境を作り上げることができます。


ガラス(硝子)の種類と特徴

単板ガラスとは、近年住宅のサッシによく使われるようになった、複層ガラス合わせガラスと違い、ガラス1枚にて構成された、単一の板ガラスを指します。
単板ガラスには、フロート板ガラス型板ガラス網入板ガラス線入板ガラスなどがあります。

単板ガラス(硝子)の種類と特徴

フロート板ガラス(透明ガラス)

フロート板ガラス(透明)

フロート板ガラスとは、熔融金属の上にガラス素地を流し、火造りのまま連続製造されたガラスで、平滑性に優れ、ゆがみの少ない、採光性に優れた透明板ガラスです。一般的な窓によく使われています。

厚みは、2mm・3mm・4mm・5mm・6mm・8mm・10mm・12mm・15mm・19mmがありますが、住宅に使用されている厚みは、2mm・3mm・4mmが主に使われています。


型板ガラス

型板ガラス

型板ガラスとは、曇りガラスとも言い、片面にさまざまな型模様をデザインしたガラスです。光を拡散するとともに視野をさえぎる機能をもっています。浴室やトイレ・洗面脱衣などの外部サッシや室内ドアなど、プライバシーを確保する箇所に用いられます。

厚みは、2mm・4mm・6mmがあります。梨地(なしじ)は2ミリ、霞(かすみ)は4mmと6mmがあります。


すりガラス

すり板ガラス

すりガラスとは、板ガラスの片面に摺り加工を施し不透明にしたもので、視線をソフトに遮ります。室内扉や室内の装飾窓などに使われていましたが、最近ではあまり使われていないようです。

厚みは、2mm・3mm・5mmがあります。


網入り板ガラス・線入り板ガラス

網入り型ガラス

網入ガラス、線入板ガラスとは、熔融時のガラスの中に金網を挿入した板ガラスです。またフロート板ガラスに比べ飛散防止性も備えています。
型板ガラスに金網を挿入したものと表面を研磨し、透明ガラスにした磨きガラスがあります。見た目は金網が入っていてガラスが厚い分、強度があるように思われがちですがガラスに異物が入っている分、同厚程度のフロート板ガラスよりも強度が劣ります。網入りガラスには、菱ワイヤーとクロスワイヤーがあります。

ガラスが割れても金網に支えられ、穴があいたり、欠落しにくいので火災の延焼をある程度防ぐ効果があり、建築基準法で定める開口部で防火戸用のガラスとして用いられています。

厚みは、6.8mm・10mmがありますが、住宅では、一般的に6.8mmが使われています。


網入りガラス・線入りガラス

熱線吸収板ガラス

熱線吸収板ガラスとは、通常のガラスの原料に微量の鉄、ニッケル、コバルトなどの金属を加えた色ガラスです。
透明ガラスに比べ、より多くの太陽放射エネルギーを吸収し、赤外線や可視光線、紫外線などを線源の透過を適度におさえ、眩しさを和らげる性能をもっています。そのため、夏季の冷房負荷を軽減する室内環境をつくりだします。また、透明フロート板ガラスに比べ、紫外線による家具などの変色、退色を軽減します。
商品名(日本板硝子)で、ブロンズペーン・グレーペーン・グリーンペーンと呼ばれているガラスです。

厚みは、3mm・5mm・6mm・8mm・10mm・12mm・15mmがあります。戸建住宅には、一般的に使われません。

熱線吸収板ガラス

熱線反射板ガラス

熱線反射板ガラスとは、フロート板ガラスの表面に反射率の高い金属酸化物の膜をコーティングしたもので、日射エネルギーをより多く反射・遮断するため、夏期には冷房コストが軽減でき、ハーフミラー効果もあります。
ハーフミラー効果は、外部の風景を映し出して、建物の外装を個性的なものに表現します。また、明るいほうから暗いほうが見えにくくなりますから、昼間内部が見えにくくなります。

厚みは、6mm・8mm・10mm・12mm・15mm・19mmがあります。戸建住宅には、一般的に使われません。


強化ガラス

強化ガラスの破片

強化ガラスとは、安全ガラスとも呼ばれ、板ガラスを軟化点(650〜700度)近くまで加熱したあと、空気を均一に吹きつけ急冷し、板ガラス表面に圧縮層を持たせたガラスです。
フロート板ガラスに比べ約3〜5倍強度も強く、万一割れても破片が細粒状になり、普通の板ガラスの様な鋭い破片が生じないので破片による負傷が大幅に減少します。しかし、高所の使用には欠落しますので飛散防止フィルム等の併用が必要です。

厚みは、4mm・5mm・6mm・8mm・10mm・12mm・15mm・19mmがあります。


合わせガラス(硝子)の種類と特徴

合わせガラスの構造

合わせガラスとは、その名のとおり、2枚または数枚のガラスの間に透明の接着力の強い中間膜をはさみ、加熱圧着ではり合わせた安全性の高いガラスです。中間膜の力で、割れてもガラスの破片が飛び散りません。また中間膜は紫外線を遮蔽する機能も兼ね備えています。

さらに、中間膜を厚くしたり、特殊中間膜をはさむことで、、防犯性能防音効果紫外線カットなど、さまざまな機能を持たせることが可能です。


防犯ガラス

防犯ガラスは、2枚のガラスの間に強靱な厚い中間膜やポリカーボネート板を挟み込んだ合わせガラスで、ドライバーなどによる「こじ破り」バールなどによる「打ち破り」に高い抵抗力を発揮します。

旭硝子株式会社「セキュレ」日本板硝子株式会社「セキュオ」などがあります。
尚、網入りガラス、線入りガラス、強化ガラスには防犯効果はありません。


防音ガラス

防音ガラスとは、2枚以上のガラスで防音特殊中間膜を挟みこんだ合わせガラスで、騒音によって起こる振動を熱に置き換え、音の波を消滅させる原理を用いたものです。これにより、音域全体を高度な遮音性能でカバーします。さらに、サッシとの併用により、一重窓でも優れた防音性能を発揮できます。


複層ガラス(硝子)のの種類と特徴

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラスは、ペアガラスとも言い、通常2枚のガラスをスペーサーにより一定間隔に保持し、周囲を封着材で密着して内部の空気(用途によってはガス)を常に乾燥状態に保った断熱性の高いガラスです。

ガラスとガラスの間に熱伝導率の低い空気層を持っているので、単板ガラスと比較して省エネ効果があり、空気層の断熱効果により室内側のガラスが冷えにくいので、結露が生じにくく、視野を遮ったり、結露による不快なしみなどを防ぎます。

最近の住宅では、複層ガラスは殆ど標準装備されているのようですが、居室のみの場合もありますので、予算が許せる限りは全室採用したいものです。

尚、複層ガラスの組み合わせは、型板ガラスや網入りガラス・防犯ガラス・強化ガラスなど、それぞれのガラスの種類との組み合わせができ、また、中間層に格子が封入された掃除いらずの「格子入り複層ガラス」も商品化されています。

また、最近では、Low-Eガラスを使用した「遮熱複層ガラス」(温暖地用)や「高断熱複層ガラス」(寒冷地用)も、よく使われるようになってきました。


遮熱複層ガラス

遮熱複層ガラス

夏を涼しく、冬を暖かく過ごすための遮熱複層ガラスです。
特殊金属膜をコーティングした室外側のガラス(Low−Eガラス)の効果で、夏の暑い日差しをカットし、快適な室内を実現します。また冬は高断熱性能を発揮するので、暖房から出る暖かさを外に逃がさず、暖房効率を高めます。

※温暖地に適した複層ガラス


高断熱複層ガラス

高断熱複層ガラス

冬を暖かく過ごすための高断熱複層ガラス。特殊金属膜をコーティングした室内側のガラス(Low−Eガラス)の効果で、真冬でも太陽の暖かさを取り入れるので室内が暖かくなります。夜には、暖房から出る暖かさを外に逃がさず室内に反射するので室内が暖かく、暖房効率を高めます。

※寒冷地に適した複層ガラス




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