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建具仕様/ 外部建具(アルミサッシ)・窓

アルミサッシの分類

木造住宅に用いられる外部建具は、昔は木製が主流でしたが、住宅用のアルミサッシの普及が進み、気密性の高いアルミサッシを使うことが常識となりました。

住宅に用いるアルミサッシは、鉄筋コンクリート造や鉄骨造などに使う集合住宅用(非木造用)戸建住宅用(木造用)とに大きく分けられます。
また、戸建住宅用の木造用のサッシでは、在来工法用(在来サッシ)2×4工法(ツーバイサッシ)とに分けられます。
更に、壁の仕上げ方でもサッシが違ってきます。大壁仕上げの洋室関係には「半外付け」サッシ、真壁仕上げの和室関係には「外付け」サッシが一般的に使われます。
建物の構造 及び 壁の仕上げ方で、採用するサッシは自ずと決まってきます。

また、サッシの性能により、「一般サッシ」・「防音サッシ」・「断熱サッシ」・「改修用サッシに」に分類でき、更にサッシの開閉形式により、「引き違い窓」・「上げ下げ窓」・「たてすべり出し窓」などのサッシがあります。
アルミサッシの開閉形式や形状で分類すると、概ね下記のようにアルミサッシを分類できます。

それぞれの仕様や性能 並びに開閉形式によるサッシの違いを理解した上で、どのようなサッシを採用するか、十分に検討する必要があります。


開閉形式・形状でのアルミサッシ分類

※このページについては、当事務所が設計にてよく採用する三協立山アルミ株式会社のアルミサッシをベースに記載しています。


アルミサッシの種類と特徴

アルミサッシの開閉形式には、一般的によく使われている「引き違いサッシ」、装飾的な面を兼ね備えた装飾窓関係では、「たてすべり出し窓」・「両たてすべり出し窓」・「上げ下げ窓」・「ルーバー窓」・「オーニング窓」「内倒し窓」・「横すべり出し窓」「片引き窓」・「両引き窓」などがあります。
また、人気の高い出窓関係では、「台形出窓」・「角型出窓」・「トップライト出窓」・「ボウウインドー」・「三角出窓」や「ハーフ出窓」などが商品化されています。

アルミサッシの開閉形式

引き違いサッシ

引き違いサッシ

引き違いサッシとは、住宅に一番多く用いられるサッシで、2枚の障子を左右に引く形式のサッシです。
床から直接サッシを取り付けている引き違いサッシを「掃き出しサッシ」とも言い、サッシメーカーのカタログでは「テラスタイプ」と呼ばれています。掃き出しサッシの高さは、昔は1.8mが主流でしたが、最近では2mが標準的に用いられています。

また、腰壁を設けて取り付ける引き違い窓を「腰窓」と言い、サッシメーカーでは「窓タイプ」と呼ばれています。

既製品のサイズは、半外付けサッシの腰窓(窓タイプ)で、幅方向のサイズは、関東間・関西間・九州四国間の3タイプ23種類の幅と、高さ方向は300mm・500mm・700mm・900mm・1100mm・1300mm・1500mmの7種類の組み合わせ(幅と高さの組み合わせで既製品でないサッシもあります)のサッシがあります。
また、半外付けサッシの掃き出しサッシ(テラスタイプ)では、幅方向のサイズ、関東間・関西間・九州四国間の3タイプ20種類の幅と、高さ方向は1800mm・2000mm・2200mm・2200mm(ランマ付き)の4種類の組み合わせ(幅と高さの組み合わせで既製品でないサッシもあります)のサッシがあります。


引き違いアルミサッシには、面格子や雨戸・シャッターが一体となっている「面格子付サッシ」・「雨戸付サッシ」・「シャッター付サッシ」と単体の引き違いサッシ(単体サッシ)とがあります。当然、単体サッシでも、後付けの面格子や雨戸・シャッターが取り付けられます。
また、 アウトドアリビング対応の段差のないサッシやバリアフリー対応のサッシも商品化されています。

たてすべり出し窓

たてすべり出し窓

たてすべり出し窓とは、回転軸が少し移動しますが、わかりやすく言えば、外開き(片開き)のアルミサッシです。1枚の障子が大きくなると開閉に支障が出ますので、大きいサイズのサッシは製作出来ません。
既製品のサイズは、幅260mm・365mm・600mm、高さ700mm・900mm・1100mm・1300mmの12種類のサッシがあります。
網戸は室内側に取り付けるようになります。


カムラッチハンドル・オペレーターハンドル

たてすべり出し窓には、一般の「カムラッチハンドル」タイプと値段的には若干高くなりますが、窓から体を乗り出さずに、安全に開閉できる「オペレーターハンドル」タイプがあります。


両たてすべり出し窓

両たてすべり出し窓

両たてすべり出し窓とは、たてすべり出し窓の両開きタイプです。
既製品のサイズは、幅740mm・1195mm、高さ900mm・1100mm・1300mmの6種類のサッシがあります。
網戸は室内側に取り付けるようになります。


上げ下げ窓

上げ下げ窓

上げ下げ窓とは、ガラス戸が上下にスライドして開閉する窓です。上下2枚とも動く両上げ下げ窓(ダブルハング)と片方だけ動く片上げ下げ窓(シングルハング)の2種類の窓があります。住宅メーカーや工務店などの商品化された住宅には、標準仕様として片上げ下げ窓(シングルハング)の方が多様されています。
既製品のサイズは、片上げ下げ窓は、幅365mm・600mm、740mm、高さ900mm・1100mm・1300mmの9種類、両上げ下げ窓は、幅600mm・740mm、高さ900mm・1100mm・1300mmの6種類のサッシがあります。
網戸は室内側に取り付けるようになります。


ルーバー窓(ジャロジー窓)

ルーバー窓

ルーバー窓とは、商品名で一般的によく言われている「ジャロジー」がこの窓にあたります。ブラインドのようにガラスを回転させて開閉する窓で、外からの視線をさえぎり、換気・通風が行なえる便利な形式の窓です。
但し、気密性を重視する住宅には不向きです。
既製品のサイズは、幅260mm(高さ1100mm・1300mm・1500mmは無し)・365mm・600mm・740mm(高さ1500mm無し)、高さ500mm・700mm・900mm・1100mm・1300mm・1500mmの20種類の手動タイプ電動タイプのルーバー窓(ジャロジー)があります。また、手動タイプには、断熱性能に優れたダブルルーバー窓(羽のガラスが2枚)も商品化されています。
網戸は室内側に取り付けるようになります。


オーニング窓

オーニング窓

オーニング窓とは、横すべり出し窓の障子を数枚設けたような窓で、複数の障子が同時開閉でき、採光・通風に優れた窓です。また、雨が降っても雨水が部屋内に入りにくく、開閉機能は手動タイプ電動タイプがあります。
既製品のサイズは、電動タイプで、幅365mm・600mm・740mm(高さ1300mm無し)・1195mm(高さ900mm・1100mm・1300mm無し)、高さ700mm・900mm・1100mm・1300mmの12種類と、手動タイプでは、幅365mm・600mm・740mm・1195mm(高さ300mm・1100mm・1300mm無し)、高さ300mm・700mm・900mm・1100mm・1300mmの17種類とがあります。
網戸は室内側に取り付けるようになります。


内倒し窓

内倒し窓

内倒し窓とは、部屋の内側に障子を倒して開けるタイプの窓で、換気・排気機能に優れています。しかし、高い位置に設けると開閉が不便で、専用のフック棒にて開閉することになります。
既製品のサイズは、幅365mm・600mm・740mm、高さ300mm・500mm・700mmの9種類があります。
網戸は室外側に取り付けるようになります。


横すべり出し窓

横すべり出し窓

横すべり出し窓とは、横方向の上側を軸として、外部に押し出す窓です。ガラス掃除が大変ですが、最近の横すべり出し窓は、フリクションステーのストッパーを解除することで簡単に掃除ができるようになっています。住宅メーカーや工務店などの商品化された住宅の水廻り関係には、標準仕様として多様されている窓です。


フリクションステー金物

既製品は、幅365mm・600mm・740mm、高さ300mm・500mm・700mmの9種類があります。
網戸は室内側に取り付けるようになります。


片引き窓・両片引き窓

片引き窓・両片引き窓

片開き窓とは、1枚の障子を横に引いて開閉する窓で、シンプルさが特徴です。また、中央を嵌め殺し窓として、その両サイドに片引き窓を設けた両片引き窓もあります。
既製品のサイズは、片引き窓タイプで幅1195mm(高さ1300mm無し)・1650mm、高さ900mm・1100mm・1300mmの5種類、片引きテラスタイプで幅2560mm、高さ1800mm・2000mm・2200mmの3種類があります。

また、両片引き窓タイプで、幅1650mm(高さ1300mm無し)・2560mm、高さ900mm・1100mm・1300mmの5種類と、両片引きテラスタイプで、幅2560mm・3470mm、高さ1800mm・2000mm・2200mmの6種類があります。
尚、網戸は室外側に取り付けるようになります。


嵌め殺し窓(Fix窓)

嵌め殺し窓(Fix窓)

嵌め殺し窓とは、ガラスを入れただけで、開閉機能がない窓です。換気は出来ませんが明かりを取り入れる場合や外観のデザインアクセントなどに採用されます。
既製品のサイズは、窓タイプで、幅260mm(高さ300mm・500mm・700mm・1500mm無し)・365mm・600mm・740mm・1195mm・1650mm(高さ300mm無し)、高さ300mm・500mm・700mm900mm・1100mm・1300mm・1500mmの37種類があります。

また、テラスタイプは、幅365mm・600mm・740mm・1195mm・1650mm、高さ1800mm・2000mm・2200mmの15種類があります。
その他、細長いスリムタイプ・極端に小さいタイプ・丸型タイプ・1/4円タイプなどのFix窓が商品化されています。
網戸はサッシを開閉しないので取り付けるようにはなっていません。


出窓の種類と特徴

出窓には、「台形出窓」・「角型出窓」・「三角出窓」・弓形をした「ボウウインドウー」などの出窓の形で呼ばれるもの、出窓の屋根部がガラスになっている「トップライト出窓」、出窓の奥行き(出幅)が少ない「ハーフ出窓」、取り付ける場所に応じた「和室用出窓」・「キッチン出窓」・「浴室出窓」など、サッシメーカーが多くの種類の出窓が商品化されています。

尚、サッシメーカーの出窓にセットされているカウンターの天板と、巾木や廻縁、窓の額縁などに使用する建材メーカーの造作材と色や柄の違いがでますので、出窓の天板を選ぶ時には、現物見本を見て決めることをお勧めいたします。


出窓の種類

サッシの断熱性能と結露対策

1枚のガラスを用いた単板ガラス仕様よりも、2枚のガラスで空気層を設けた、複層ガラス仕様(ペアガラス)の方が、当然 断熱性能や結露対策になるのですが、最近のアルミサッシは、サッシ自身の断熱性能を向上させた、断熱サッシが多く商品化されています。

アルミ樹脂複合構造による障子やサッシ枠、また、樹脂アングルを用いることで断熱性能は更に上がり、結露を防ぐことができます。これらの対応や全てを樹脂サッシとした仕様のサッシを一般的に断熱サッシと呼んでいます。

ただ単に、一般サッシに複合ガラスを用いるだけでは、障子や枠の部分から熱損失が行なわれ、断熱性能の低下やアルミサッシの表面部分に結露が発生します。
予算の関係もありますが、旧公庫基準の断熱地域の区分に応じた、開口部の断熱性能基準の次世代省エネ基準に対応したサッシを採用されてはどうでしょうか?


断熱サッシ

雨戸・雨戸シャターの種類と特徴

台風時の防風対策や防犯対策として、引き違いサッシには一体式の「雨戸付き引き違いサッシ」や「雨戸シャッター付き引き違いサッシ」があります。また、単体の引き違いサッシに、単体の後付け雨戸やシャッターを設けることも可能です。尚、新築の場合で雨戸やシャッターを設ける場合は、殆ど一体式の引き違いサッシが用いられます。

住宅メーカーや工務店が商品化している住宅では、1階の引き違いサッシに標準装備され、2階の引き違いサッシはオプション対応の場合や、個数を限定して標準装備している場合が殆どで、全ての引き違いサッシに雨戸 若しくはシャッターが標準で装備されているケースは少ないです。


雨戸(サッシ一体式)

雨戸付き引き違いサッシ 及び 後付けの単体雨戸には、「閉鎖型戸袋タイプ」と「開放型戸袋タイプ」の2種類の雨戸があります。

「閉鎖型戸袋タイプ」は、戸袋枠をサッシ同様、直接柱や間柱の躯体に取り付け、その後、外壁を仕上げるタイプです。戸袋内の壁は、通常仕上げませんので戸袋が必要となります。(鏡板付き雨戸とも言います)
また、「開放型戸袋タイプ」は、外壁を仕上げた後、躯体に取り付けられたブラケットへ戸袋枠を取り付けるタイプです。戸袋内の壁は、外壁と同一仕上げとなりますので鏡板なしでも可能です。(鏡板無し雨戸とも言います)

尚、「開放型戸袋タイプ」でも、サッシメーカーでは鏡板や妻板が商品化され、戸袋に鏡板を設けることができます。
また、雨戸枠はアルミですが、鏡板や雨戸パネルはカラー鋼板仕上げです。


雨戸

雨戸シャッター(サッシ一体式)

一体式の雨戸シャッター付き引き違いサッシ 及び 後付けの単体雨戸シャッターの開閉方式には、手動タイプと電動タイプがあります。
また、電動タイプには、シャッターを閉めても通風・換気ができる機能や、障害物検知機能などが装備されているシャッターが商品化されています。


雨戸シャッター

面格子・飾り格子の種類

防犯対策として、サッシ一体式の「面格子付きサッシ」があります。
また、単体の引き違いサッシや上げ下げ窓・すべり出し窓などに設ける、後付けタイプの面格子には、サッシの枠に取り付ける「枠付ブラケット式」と躯体に取り付ける「躯体付ブラケット式」の面格子があり、又は、サッシの障子に直接取り付ける「飾り格子」タイプは、外観をすっきりさせシンプルに見せることができます。

採用するサッシの開閉機能 及び、外観のデザインに応じて上手に使い分けるようにしましょう。


面格子の種類

飾り格子の取り付け例


アルミサッシの取り付け高さ(内法高さ)

サッシの取り付け高さは、1階のテラスなどに設ける掃き出しサッシ(テラスタイプ)の取り付け高さ位置を基本に、引き違いサッシの腰窓(窓タイプ)やその他のサッシを取り付けます。
これは、サッシの取り付け高さを同一に揃えることで、建物の外観が美しく見えるようにするためです。

一般的に、掃き出しサッシは、高さ2mタイプが多く使われていますので、それに合わせて他のサッシの取り付け高さ位置も、床面より2mにするのが一般的です。
但し、和室の場合は、和室造作材の鴨居の取り付け高さ(内法)は、和室の垂れ壁(天井から鴨居まで)のバランス関係で1760mm〜1800mm位にするのが一般的で、和室のサッシは高さ1.8mタイプのサッシを採用し、洋室と異なった高さ位置とします。
尚、伝統的な手法にこだわらないモダン和室とする場合は、洋室の取り付け高さに合わせてサッシ高さ2.0mタイプを取り付けます。

また、腰窓サッシの開口高さは、落下防止の関係から、2階では腰高さを十分に確保する必要があり、1階の腰窓サッシの開口高さより小さくなります。
また、1階に設ける和室の腰窓サッシの開口高さは、生活スタイルの基本が座ることなので、洋室の腰窓サッシより、サッシ開口高さを大きくすることも一つの手段です。尚、2階の和室に設ける腰窓サッシの開口高さは、落下防止手摺はありますが、安全対策の観点から洋室と同じ高さにするのが一般的です。


サッシ取り付け高さ(内法)



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